コンビニスプーン・デパートの紙袋・保冷剤 福岡でも無料→有料の動き加速 適切な対価が賃上げにつながる?
大手コンビニチェーンのファミリーマートが、無料で提供していたプラスチック製のスプーンやフォークを29日から一部の店舗で有料に変更しました。福岡で別の業種を取材すると、これまで無料だったものが次々と有料になっていました。その理由を取材しました。
■店員
「スプーン有料となっていますが、ご利用ですか。」
ファミリーマートでは29日から、無料だったスプーンやストローなどが有料になりました。
有料化は大手コンビニでは初めてです。プラスチック製のスプーンとフォークは6円、ストローやデザート用スプーンなどは4円で販売されます。フラッペ用のストローは除きます。
全国の直営店舗およそ100店でスタートし、将来的には全店に広げることを検討しています。
有料化の目的はプラスチックの削減で、この取り組みが全国の店舗に拡大した場合、年間およそ715トンが削減される見込みだといいます。
有料化の動きは、別の業種でも見られました。
■阿部まみフィールドキャスター
「大丸で買い物をするとついてくるこの紙袋、印象的な模様で大丸を象徴するデザインですが、2月1日から有料になります。」
大丸福岡天神店ではマイバッグの利用促進と森林保全のためとして、これまで無料で提供していた紙袋を2月1日から有料化します。小さいサイズのものは10円、大きいサイズは20円で提供します。
■博多大丸 広報・立石幸菜さん
「大丸としても社会的な問題であったり、環境問題を考えていかないといけない部分だと思っているので、社会に貢献できる会社でありたいと思っています。」
さらに、福岡で書店の積文館などを運営するNICリテールズも、去年の秋から、リサイクル紙のブックカバーは5円、和紙などを使ったものは50円に有料化しています。
福岡名物、明太子にも、有料化の動きが広がっていました。
■海千・横山薫さん
「保冷剤が2個で55円、保冷袋が110円と有料になりますが、いかがなさいますか。」
福岡県宗像市に本社を置く明太子専門店、海千は、去年2月から保冷バッグや保冷剤を有料にしました。
■海千・横山薫さん
「明太子の原料は海でとれるものなので、海を守るためにも少しずつでもできることをやっていきたいと思っています。」
資材価格の高騰も影響しているということです。
相次ぐ有料化について、街の人に聞きました。
■60代
「最初はレジ袋に戸惑いはありましたが、今はだいぶん慣れてきて、当たり前になってきています。同じように、最初は戸惑うかもしれないが慣れてくるのでは。」
■30代
「プラスチックを使わない暮らしを実現できて、持続可能な世の中になっていくなら、僕は賛成かな。」
■70代
「いらない袋もいっぱいあるので、基本は(マイバッグを)持ち歩いています。(有料化は)いいと思う。本当にいる人だけが使って。」
環境保全の観点や物価高の影響で相次ぐ“有料化”は、さらに加速するかもしれません。
無料で提供されていたものが有料化になる動きは、政府や経団連が目指す企業のさらなる賃上げのためにも必要だといいます。
ファミリーマートは年間4億6000万本のスプーンなどを無料で提供してきましたが、仮にスプーン1本5円で計算すると、年間およそ23億円を負担してきたことになります。
経団連の十倉会長は「良いもの・良いサービスには値が付く」と発言していて、消費者がサービスに適切な対価を支払う、これがひいては賃上げにつながると提案してます。