【2024年問題】きょうから時間外労働の規制強化 物流会社では「分業化」で残業時間を短縮 建設業界や医療機関でも対応迫られる 福岡
新年度スタートの4月1日から物流業界で時間外労働の規制が強化されました。いわゆる2024年問題です。これまで通り荷物が運べなくなるおそれもあり、福岡県内の企業でも対策が進められています。
■博運社・眞鍋和弘社長
「きょうは4月1日。2024年問題のスタートの日です。」
入社式で社長がこう語ったのは、福岡県志免町の物流会社「博運社」です。
物流業界が直面するいわゆる「2024年問題」では、労働基準法の改正により、4月1日からトラックドライバーの時間外労働が年間960時間に規制されます。
ドライバーの長時間労働を軽減するための措置で、月平均に換算すると20時間ずつ削減されることになります。
これにより、輸送量の減少や人手不足の深刻化が懸念され、これまで通り荷物が届けられなくなる恐れもあります。
その問題に対応するため、「博運社」では業務の見直しを進めてきました。
■眞鍋社長
「ポイントは分業化だと思います。ドライバーはハンドルの時間に重きを置いて、ドライバー以外でもできることは第三者にやってもらう。」
これまでドライバーが担っていたトラックへの荷物の積み込みを3年前からアルバイトに委託しています。
ドライバーは運送業務に専念できるようになり、1人あたり1か月の平均残業時間はおよそ20時間減ったといいます。
■眞鍋社長
「人が足りない時代だから、いかに人をつくり出していくか、提供していくかが一つのポイントになるのではないか。」
いよいよスタートした物流業界の「2024年問題」、深刻なドライバー不足を防ぐため対策は待ったなしです。
時間外労働の規制が強化される「2024年問題」は物流業界だけではありません。
建設業界や医療機関でも対応が迫られています。
建設業の場合、時間外労働は原則月45時間、年360時間です。災害など特別な事情がある場合は、年720時間が上限となります。
勤務医の時間外労働の上限は原則として、年960時間です。
過重労働を防ぐことが期待される一方で、地域への派遣医療や医療そのものの質が維持できるかなど課題は残ったままです。