【ライドシェア】福岡でも5月以降「福岡交通圏」が運用エリアに 準備進めるタクシー会社 課題は
8日から東京で、日本版ライドシェアが始まりました。ライドシェアとは、タクシー運転手ではない一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶことです。タクシー会社が運行を管理した上で、地域や時間帯を限定して運用されます。
5月以降、福岡でも運用が始まる見通しで、福岡市のタクシー会社では準備が始まっています。
■元木寛人アナウンサー
「時刻は正午を過ぎました。博多駅にはきょうもたくさんのタクシーが入ってきています。」
タクシーは観光やビジネス、生活を支える重要な交通手段の1つですが、「タクシー不足」は全国的な課題となっています。
そこで、東京都で8日から始まったのが「ライドシェア」です。タクシーが不足している曜日や時間帯に限って、一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運びます。
4月中に神奈川、愛知、京都でも開始される予定です。
また、国土交通省は、福岡でも準備を進めていて、配車アプリのデータを基にタクシーの不足数を調べ、5月以降、タクシー会社が実施する意向があれば運用を始めるとしています。
福岡では、福岡市のほか古賀市や糸島市などを含めた「福岡交通圏」が運用エリアになる予定です。ライドシェアについて、福岡空港で、ほかの都市からやってきた人たちに聞きました。
■大阪から
「良いんじゃないですかね。東京はタクシーいるのでいいですが、ほかの地方は少ないので普及すればいいのかな。」
■東京から
「人員が足りない中で観光客も多くて、移動手段にはすごく良い政策だなと思う。」
■埼玉から
「ちょっと怖いですよね。一般の方なので、ちゃんとしているのかなとか、変なところに連れて行かれたりしないかなとかあります。」
タクシー運転手からも、安全面を心配する声が聞かれました。
■タクシー運転手
「やっぱり2種免許は必要だと思います。何のために今まで厳しく、1年車検、3か月整備点検、一生懸命してきたが、そういうことが全部守られるのかなというのがあります。」
タクシー業界からは消極的な声が上がる中、準備を進めるタクシー会社もあります。
■双葉交通・豊島明弘常務
「弊社としても、ライドシェアに関して行う方向で考えています。」
福岡市のタクシー会社、双葉交通は、半年間で新たに16人の乗務員を採用するなど、タクシー運転手の確保にも積極的です。しかし、それでも不足分を補えないことから、ライドシェア導入を決めました。
■豊島常務
「ライドシェアはタクシーが不足している時間帯や地域によってということになるので、足りない部分を補完していく観点で必要ではないか。」
懸念されるのが安全対策で、タクシー運転手と同じように教育することも考えています。
■豊島常務
「パート・アルバイトとしての雇用を考えています。タクシー会社管理となっていて、安心安全な運転手を送り出さないといけない。2種免許を持っていないとしても、会社でできる教育・教習をしっかり行った上で、市場に送り出したい。」
豊島さんによりますと、福岡交通圏のタクシー会社のうち、ほかにも数十社がライドシェアの導入に積極的だということです。
一方、福岡市の高島市長は、導入のためにはさらなる規制緩和や具体的なルールづくりが必要だと話します。
■高島市長
「万が一の時の補償をどうするのか、現在のタクシー会社との共存はどうするのか。地方に任せるのではなくて、タクシー会社のやる気に任せるという投げっぱなしではなくて。まさにそれを国の方で考えていくと思うので、注視したい。」
日本版ライドシェアはタクシー業界の人手不足を解決するのか。今後の動きに注目です。
改めて「日本版ライドシェア」について、利用する方法や運賃などについて確認します。
まず、配車の依頼はアプリで行います。乗車する場所と目的地を入力すると乗車前に運賃が決まります。支払いはキャッシュレスが原則です。その運賃ですが、タクシーに乗る場合と同じ料金です。
もし事故が起きたら、その責任は運転手ではなくタクシー会社が負います。運転手の教育や勤務などの管理もタクシー会社が担います。