どれだけ多く収穫できる?『トマトロボット競技会』に高専チームが挑戦 福岡
学生たちがつくったロボットによる競技会が北九州市で開かれました。競うのは、決められた時間内にどれだけ多くトマトを収穫できるかです。人手不足の農業の未来を担うロボットの実力を取材しました。
戦いの舞台はビニールハウス、そして狙うのは赤く実ったトマトです。傷つけることなく、収穫するスピードを競います。
10日、北九州学術研究都市で開かれた『トマトロボット競技会』です。
ことしが10回目の開催で、九州・山口に加え、遠くは奈良県から、大学や高等専門学校などでロボットを研究する10チームが参加しました。
合わせて20分間で収穫できたトマトの数を競います。
■審査員
「一緒に色確認しましょう。」
ただ収穫すればいいわけではなく、十分に熟していなかったり、へたがとれてしまったりすると減点されます。トマトに傷がついてしまうと、点は入りません。
■審査員
「傷があると商品価値がほぼないので。これがスーパーに並んでも買わないですよね。」
一見単純そうですが、トマトは丸くてつかみにくい上、傷がつきやすいことから、ロボットの実力を試すのにぴったりだといいます。
過去の大会で優勝経験がある、北九州工業高等専門学校です。去年は惜しくも3位でした。
その雪辱を果たすため、先輩から代々受け継がれてきたロボットに改良を加えました。
■北九州工業高等専門学校 5年・上川洪幸さん
「(アーム部分に)ゴム手袋なんですけど、空気を抜いたらガチッと(トマトを)つかめる。」
競技が始まると、北九州高専のロボットは、カメラとセンサーでどこにトマトがあるのか把握し、アプローチをかけます。
■実況
「惜しい。ちょっと握力が足りなかったか。」
「採りました。へたはとれてしまったけど、問題なく(トマトは)採れました。」
競技中にロボットが止まってしまうチームが続出する中、北九州高専のロボットは一度も止まることなく、無傷なトマト2個を含む5個のトマトを収穫し、見事、優勝しました。
■上川さん
「ずっと止まらなかったので良かったと思います。農業従事者の人口が減っているので、そういった面で生産効率も上がって、役に立てればいい。」
農業の担い手不足が叫ばれる中、機械化の発展や普及を目指す若者たちが、未来に貢献するためさらに研究を重ねます。