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【特集】泥沼の内戦が続くミャンマー「自分だけが逃げた」日本にも及ぶ監視の目 福岡に逃れた女性は今

2024年10月26日 7:39
【特集】泥沼の内戦が続くミャンマー「自分だけが逃げた」日本にも及ぶ監視の目 福岡に逃れた女性は今

日本とも関係が深い、東南アジアのミャンマーでクーデターが起こってから3年半あまりが経過しました。弾圧を恐れて福岡に逃れたミャンマー人の女性は、ある“葛藤”を抱えながら生きています。

9月、福岡市でミャンマーの国民的な歌手を招いてコンサートが開かれました。コンサートの目的は、参加費やグッズの売り上げで母国で苦しむ人たちを支援するためです。

ミャンマーは2011年に軍事政権から民政に移管され、アウン・サン・スー・チー氏らのもとで民主化を推し進めていました。しかし、2021年2月に影響力の低下を危惧した国軍が突如、クーデターを起こし、国の実権を握ります。抗議デモで抵抗する市民に対して、国軍は力で弾圧するなど泥沼の内戦が続いています。

福岡に逃れて

2023年4月から、福岡県内のアパレルメーカーで洋服の型紙を作る仕事をしているミャンマー人のモンさん。クーデターが起こる前は、ミャンマーで洋服店を営みながら充実した日々を送っていました。しかし、クーデターによって仲間と一緒にデモに参加する毎日が始まりました。

■ミャンマーから福岡に逃れた モンさん(仮名・33)
「(治安当局は)催涙弾やゴム弾で撃ってきたり。私たちは逃げられたけど、逃げられなかった友だちは拘束されたりしました。」

『このままミャンマーにいたら、私も捕まるかもしれない。』

迷った末に、かつて留学したことがある日本に逃れることを決めました。しかし、頭から離れなかったのは母国で戦う仲間のことでした。

■モンさん
「自分だけが、平和で安全な国に逃げたという罪悪感が強かったです。日本に来てずっと。」

母国を支援する力になると信じて、友人らにミャンマーの現実を伝えています。

■モンさん
「軍が近づいて来て、デモをしたら撃つみたいな感じで。」

■モンさんの同僚
「戦争が身近に感じられて怖くなりました。 自分がどれだけ、日本に住んで平和な暮らしを送っているのか身にしみて痛感しました。」

日本にも及ぶ監視の目

しかし、例え国外に逃れても、決して安心できるわけではありません。

長年、現地でミャンマー支援に取り組んでいる福岡市の松本さんは、国軍の監視の目は日本にも及んでいるといいます。

■ミャンマー支援に取り組む 松本敏秀さん
「ダラン(密告者)と言うが、国軍のスパイ、協力者が日本にもかなり入って来ていると聞きます。国軍に対して反発の意見を述べると、家族が国軍などに連れて行かれるという話も聞いています。」

松本さんも、ミャンマー人を支援するイベントで怪しい人物を目撃しました。

■松本さん
「この2人です。博多駅なんですよ。同じような服装が2人。追いかけると逃げていった。」

この2人組がダランかどうかは分かりませんが、イベントを監視するように立っていたといいます。

福岡に逃れたモンさんは、いつかミャンマーに帰れる日を願っています。

■モンさん
「平和な状態になって、家族と一緒にいたい。仕事もちゃんとできて、楽しく家族と過ごしたい。」

FBSでは、クーデターによって日常を奪われたミャンマーの今に迫るドキュメンタリー番組を制作しました。目撃者f「兵士になった少女」は、10月27日(日)の深夜26時から放送です。

最終更新日:2024年10月26日 9:05