×

「乾杯!」小学校に屋台がやってきた 北九州市では大学生が「ぬか炊き」の調理実習 地元の食文化を若い世代に 福岡

2024年11月19日 19:18
「乾杯!」小学校に屋台がやってきた 北九州市では大学生が「ぬか炊き」の調理実習 地元の食文化を若い世代に 福岡

こちらは、北九州市の郷土料理「ぬか炊き」、そして、福岡市の屋台です。いずれも福岡を代表する食文化ですが、若い世代に学んでもらおうという取り組みが進められています。

■中村安里アナウンサー
「ここは、小学校の駐車場なのですが、屋台がやってきました。」

19日、福岡市中央区の舞鶴小学校にやってきたのは2軒の屋台です。11月23日の勤労感謝の日を前に、小学生に屋台の仕事を学んでもらおうと、福岡市が初めて出前授業を企画しました。

協力したのは、舞鶴小学校近くにある長浜屋台街の店主たちです。

福岡市の屋台は戦後の混乱の中に誕生し、現在も101軒が軒を連ねています。福岡市は屋台を観光資源の一つとして捉えていて、子どもたちには仕事だけではなく「文化」も知ってもらいたいとしています。

■屋台店主
「長浜屋台、乾杯。」
■子ども
「うまい。みんなで飲むお茶はうまい。」

3年生の全クラスおよそ150人が、屋台の雰囲気を体験しました。普段触れることのない屋台に興味津々な子どもたちから、店主に様々な質問が飛びます。

■小学生
「この店に1日何人来ますか。」
■店主
「40~50人ぐらいです。」
■小学生
「オススメはなんですか。」
■店主
「本場の牛ミンチマーボー豆腐をおすすめしてます。」

■屋台のたまちゃん・貴田大作さん
「売り上げ気になる?忙しい日は10万円超えます。」

出前授業は、屋台の店主にとっても貴重な体験になったといいます。

■貴田さん
「子どもたちも目を輝かせていて、いろんな質問をして、興味を持ってくれてうれしかった。気楽に家族とふらっと来たり、 友だちとふらっと来れるような屋台のきっかけになれば。」

舞鶴小学校は、学んだことを子どもたちにまとめてもらい発表する場を設けたいとしています。

■児玉悠一朗記者
「みそのいい香りがしてきました。こちらの教室では調理実習が行われています。」

一方、北九州市小倉北区の西南女学院大学で行われていたのは、ぬか炊きの調理実習です。

ぬか炊きは、江戸時代から伝わるとされる伝統料理です。サバやイワシなどの青魚を米ぬかを発酵させた「ぬかみそ」で炊いたもので、北九州を代表する「おふくろの味」として親しまれていますが…。

■学生
「あまり食べることがないです。」
「ぬか床は知っているが、ぬか炊きは初めて知ってびっくりしました。」

北九州市の調査によると、20代・30代でぬか炊きを食べている人は年々、少なくなってきています。そこで、北九州を代表する食文化、ぬか炊きを後世に残したいと、学生たちにぬか炊きの魅力や作り方を伝える場を設けました。

■北九州小倉 糠床糠炊き研究会・木村洋 会長
「焦がさないようにね。」

おいしいぬか炊きを作るポイントは、焦がさないように煮汁を凝縮させることだといいます。学生たちは、自分たちが調理したぬか炊きを試食しました。

■学生
「めっちゃおいしいです。」
「食べにくい味と思っていたので、思ったよりおいしかった。」

北九州市は今後、市外でも、ぬか炊きをPRするイベントを開催するなど、独自の食文化を発信していきたいとしています。

最終更新日:2024年11月19日 19:18