Hello, how are you? 小1から中3まで通した独自カリキュラム「北九州市型」英語教育改革なるか シリーズ【こどものミライ】
■児童
「Hello!Hello!Hello, how are you?」
去年11月、北九州市立企救丘(きくがおか)小学校の1年生が歌っていたのは、英語の歌です。さらに。
■児童
「elephant」
「What’s this?」
「monkey」
動物の英単語とともに、その動きを表現します。
この日、行われていたのは、新年度から始まる小学1年生の英語のモデル授業です。市内の小・中学校に勤務する80人以上の教員が見学に訪れていました。
小学1年生向けの「英語大好きタイム」は、通常の授業の3分の1にあたる15分間です。難しいテキストは使わず、担任や専門の教員が身近な単語やジェスチャーで、児童とコミュ二ケーションをとります。
■児童
「動物になるところが楽しかった。 全部、全部。全部分かった。(英語の授業が好きな人?)はーい。」
■見学した教諭
「1年生が楽しく英語に触れていて、本当にすごいなと思いました。このまま続けていけば、楽しみながら英語を学ぶことができるんじゃないかなと。」
「子どもたちが楽しそうでした。英語だからといって一歩引くんじゃなくて、使っていくことによって身近なものにしていけたらいいと思っています。」
北九州市はことし4月から、小1から中3まで9年間を通した独自のカリキュラム「北九州市型外国語教育」を導入予定です。
昨年度から有識者や現場の教員などによる研究チームを立ち上げ、授業の形を考えてきました。
中学3年生を対象にした国の学力調査によりますと、英検3級レベルに達している生徒の割合は、福岡市で65.1パーセントです。これに対し、北九州市は48.3パーセントで、全国平均の50パーセントを下回っています。また全国的な傾向として、英語の読み書きに比べ、会話などのコミュニケーションには課題があることがわかりました。
そこで、「北九州市型」では下地作りを重視することにしました。
■北九州市教委 学校教育課・新郷久恵 指導主事
「自分たちの考え、気持ちを表現するという言語活動を大切にしてもらいたい。この小中一貫で、9年間で子どもを育てていくという考え方が大切だと思っています。」
その一方で、見学した教諭からは心配の声も上がりました。
■見学した教諭
「本音を言うと、母国語ができたうえで、外国語だと思うのだけれども。」
「北九州市型」は国語の授業の妨げにならないよう、小学校については15分間の授業を月3回程度からスタートし、学年が上がるごとに授業時間を増やすことにしています。
新年度まであとわずか。教材や授業の進め方について、今も試行錯誤が続いています。
■教諭
「子どもたちは英単語で書いたりはほとんどしなくて、どちらかというとカタカナで書くんですよ。カタカナは読むだけになってしまうから、青ってメモして、言う時はBlueって。」
■新郷 指導主事
「そちらの方がいいかなと思います。英単語をカタカナで書くんじゃなくて、日本語でメモしたらいいとか。」
■教諭
「子どもたちが『楽しかった、先生』『 先生できたよ』って。それがうれしくて、あすの授業はじゃあどうしようかなという力につながるので、毎日楽しんで仕事をしています。」
■新郷 指導主事
「この英語教育を通して、北九州と世界をつなぐような子どもたち、そして地元・北九州でグローバルな視点を持って活躍してくれる子どもたちが育ってくれたらと思います。」
北九州市の英語教育改革が、子どもたちの未来にどんな変化をもたらすのか。「北九州市型外国語教育」は、まもなく本格的にスタートします。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年2月20日午後5時すぎ放送