「食べれば、おいしい!」絵本で伝えるフードロス削減 シリーズ「こどものミライ」
北九州市で25日に開かれた絵本の読み聞かせイベント。参加したおよそ30人の親子が聞き入っているのは、どれもパンや給食など「食」をテーマにした絵本です。
■絵本専門士・杉上佐智枝さん
「ししし、やつらがかえった いまのうちに。なんと、いっぽんのフランスパンが うごきだしました。」
読み手は、日本テレビの杉上佐智枝さんです。元アナウンサーで、絵本に関する知識や読み聞かせの技能などを専門的に学んだ絵本専門士の資格を持っています。
主催したのは、書店のイベントを手がける丸善雄松堂です。書店の隣に遊具や絵本を楽しめる無料スペースを設け、定期的に読み聞かせイベントを開催しています。
今回、読み手を依頼された杉上さんは、絵本の読み聞かせをフードロスの削減につなげたいと考えました。
■杉上さん
「今回のイベントでは『おいしく食べて楽しく読んで社会貢献』というサブタイトルをつけています。読み聞かせが終わった後に、賞味期限が近いものから取ろうとか、お弁当や給食を残さないように食べようとか、行動変容につながるような伝わるものが残ればいいなと思います。」
イベントの冒頭で杉上さんが紹介したのは。
■杉上さん
「このパン、賞味期限が来たり形が崩れてしまったりすると、このままポイッと捨てられてしまいます。」
廃棄されるパン、いわゆる「ロスパン」です。これは冷凍販売で、もともと賞味期限が1年と長いのですが、期限が迫っているという理由で販売されないまま廃棄されるといいます。
農林水産省によりますと、食品小売業で食べられるのに捨てられた食品廃棄物の量は59万4000トンに上ります。廃棄の理由のおよそ半分が「販売期限切れ」でした。
■杉上さん
「いーすとがふくらんだ。さぁ、はじめよう。さとうと しおと たまごと みずをかきまぜて。てはべとべと。ぼーるはがたがた。あらしのなかのふねのよう。」
■杉上さん
「わんぱく小学校の給食時間がはじまりました。入学以来 まだ一度も給食をちゃんと食べていません。」
■山田真由美 元FBSアナウンサー
「おばちゃんたちもくさ みんなにくさ 残されると悲しいとよ。おいしく食べてもらえるごと まいにちいっしょうけんめい 給食ばつくっとーとやけん。」
パンができるまでを描いた絵本や、食べ物が捨てられる絵本を見た後、温めた「ロスパン」を食べた参加者たちは何を感じたのでしょうか。
■参加した子ども
「もったいないと思う。野菜を残したら、作った人が悲しむんだなと知った。」
「今度から好き嫌いしないようにしようと思った。」
■参加した保護者
「もうおなかいっぱいになっちゃったとか、嫌いなものが入っているとお口に合わないと言って残したりするから、それが『もったいない』につながっているんだよって、子どもの中でつながればいいなと思います。」
■参加した子ども
「食べれば、おいしい!」
優しく、楽しい絵本の読み聞かせで、子どもたちに育まれる想像力。フードロス削減への小さな「気づき」が、絵本を通して子どもたちの中に芽生えたようでした。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年1月30日午後5時すぎ放送