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「泣いてもよかよ!」子育て中の親を見守るバッジ 駅・スーパーに拡大中 シリーズ【こどものミライ】

2025年2月16日 7:24
「泣いてもよかよ!」子育て中の親を見守るバッジ 駅・スーパーに拡大中 シリーズ【こどものミライ】
シリーズ「こどものミライ」です。子育て中の親が外出先で抱える、ある悩みを和らげようという取り組みです。その名も「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」。福岡県筑後市出身の女性が発案した取り組みが、全国に広がっています。

福岡県筑後市のJR筑後船小屋駅では1月から、駅員たち全員が同じ水色の缶バッジを身に着けて勤務しています。

■筑後船小屋駅・北島忍 駅長
「かわいくて、非常にいいデザインだと思います。」

市内のスーパーでも。

■樋口淳哉記者
「皆さん、同じバッジを着けていますね。」

着けているのは、ぷっくりほっぺの赤ちゃんのイラストが描かれたバッジです。実はこれ、赤ちゃん連れのママやパパの、ある不安を和らげようというものです。

■買い物客
「人がいっぱい居るところではあまり泣いてほしくないなって思うけど、泣いたときに困ったことはあります。(周りの目線は)気になります。」

バッジをよく見ると、地元、筑後弁で「泣いてもよかよ!」とメッセージが添えられています。ママやパパを安心させようと「子どもが泣いても気にならないですよ」と意思表示をする取り組みです。

発案したのは、筑後市出身の紫原明子さん(42)です。きっかけは、喫茶店で泣いている赤ちゃんに遭遇したときのことでした。

■紫原明子さん
「お母さんのコーヒーがきたときに、赤ちゃんが急に起きて泣き出して。」

自身にも2人の子どもがいる紫原さん。

■紫原さん
「自分も子どもがいるので、赤ちゃんが急に泣きだすのは分かっているし、大丈夫ですよ、焦らなくていいですよって言いたいのですが、大丈夫ですよっていう気持ちを伝えるのは難しいなと思って、困っちゃったんですよね。」

「焦らなくていいですよ」といつでも気持ちを伝えられれば、親も安心して子育てできるのではないか。紫原さんは2016年にステッカーを作成しました。

すると、この活動が全国30の自治体の目にとまり、京都ではラッピングバスや自動販売機ともコラボしました。

■京都
「泣いてもかましまへん!」
■岡山
「泣いてもええんでぇ!」
■宮崎
「泣いてもいっちゃが!」

親しみやすいよう、各地の方言を取り入れた形で広がっていきました。

子育て世代へのある調査では「外出先で、周囲の人からあったらうれしいサポートは」という質問に、およそ4割の人が「赤ちゃんが泣いたときなどに微笑みかけてくれる。静かに見守ってくれる」と答えました。具体的な手助けよりも、安心できる環境づくりが必要とされていることがわかっています。

■紫原さん
「赤ちゃんが泣いても大丈夫だよと思っている人の気持ちをただ見えるようにするだけで、お母さんたち、お父さんたちの不安は和らいでいくんじゃないかと思っています。赤ちゃんの泣き声が耐えられないという人の感じ方を変えられるものではありませんが、公共の場所でみんなが気持ちよくやっていくためには、誰も居場所を追いやられないようにちょっとずつ配慮しながらやっていきたいという思いがあります。」

紫原さんはこの取り組みについて「子育てを温かく見守る空気を創り出す一つのきっかけにしてもらえたら」と話しています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2025年2月13日午後5時すぎ放送

■WEラブ赤ちゃんプロジェクト
現在、ステッカーを次の場所で配布しています。
筑後市こども家庭サポートセンター、筑後市立図書館など(順次拡大中)

最終更新日:2025年2月16日 7:24
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