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備蓄米「サプライズ放出」で流通に動き? “安くなった”実感はいつ…専門家の見解は「5月頃に5kg3000円」「ムラがある」

2025年2月19日 10:25
備蓄米「サプライズ放出」で流通に動き? “安くなった”実感はいつ…専門家の見解は「5月頃に5kg3000円」「ムラがある」

価格高騰が続くコメ。政府は備蓄米の放出を発表しましたが、農林水産相は18日、「コメの流通が動き出した」との見方を示しました。本当に変化が起きているのでしょうか? 今後価格は下がるのか、いつどんな場面でそれを実感するのか、専門家に聞きました。

■農水相の発言、どう受け止める?

藤井貴彦キャスター
「皆さん気にしていらっしゃると思いますが、コメの価格高騰に関して、江藤拓農林水産相が18日、『コメの流通が動き出した』との見方を示しました」

江藤農水相
「(東京の大手スーパーに業者から)『お米がありますけれども買いませんか』という申し出がかなりの数があると。先物の市場を見ても、今までにない数が取引されています。流通市場は動き出したと受け止めていいのではないかと思います」

藤井キャスター
「『流通が動き出した』という発言ですが、素直に受け止めていい内容なのでしょうか?」

■備蓄米、3月末~4月には店頭へ

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「コメの流通に関しては、これまでコメを扱ってこなかった産廃業者など異業種が投機目的で買い付けに来たり、コメを入手した一部の業者が売り渋りをしたりすることで奪い合いが起きていると指摘されていました」

「そこで、政府は14日に備蓄米21万トンを放出すると発表しました。まずは、そのうち15万トン分を3月半ばから業者へ引き渡すことで、3月末~4月には店頭に並ぶ見通しとなっています」

藤井キャスター
「そのスケジュールによれば備蓄米が店頭に並ぶのはまだ先であるものの、こうした発表を受けて、コメを出し渋っていた業者が少し動き出したということなのでしょうか?」

■「21万トンの放出はサプライズ」

小栗委員長
「本当にコメが動き出したのかどうか。コメの生産や流通に詳しい宇都宮大学の小川真如助教に聞きました」

小川助教
「21万トンという備蓄米放出の量はサプライズで、コメの流通は動き出していると思う。ただし業者の間の取引はまだ様子見で、これまで売り渋りをしてきて業者は『持ち続けるリスク』を感じているのではないか」

藤井キャスター
「食べるためのコメですが、投機のような状況にもなっているということです。この後一番気になるのは、本当に価格が下がるのかという点です」

■価格低下を実感?…専門家の見解は

小栗委員長
「日本総合研究所の三輪泰史チーフスペシャリストは、3月中旬から備蓄米が流れ始めると3月下旬くらいには『ちょっとお米が安くなったかも』と実感できるようになるかもしれない、ここからは急ピッチで価格が下がる、とみています」

「農水省の最新のまとめでは、2月上旬のスーパーでの平均価格は5kgあたり3829円となっていますが、三輪さんは5月頃には5kgあたり3000円前後まで落ち着くと分析しています」

「一方、小川助教はスーパーでは一律に価格が安くなるとは限らず、値下がりの実感にはムラがあるとみています」

「政府が放出する備蓄米は、品種や産地がバラバラになることが予想され、あまりスーパーには並ばず、まずは外食などの業務用に回りやすいとみられているからです」

「そのためスーパーで産地や品種など(買う)ブランドを決めている人は価格低下を実感しにくい一方、『ごはんのおかわり無料復活』など外食で安く感じる、売り渋りをしていた業者がネットで売ることなどで価格低下を実感できる、という可能性はあるといいます」

藤井キャスター
「これは当たり前ではありませんが、おかわり無料までいけばいいのかもしれません」

葵わかなさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「お米が大好きなので手に入らなくなると困ってしまいます。以前も品薄になった時にスーパーでもネットでも手に入らなかったので、早く安心できる状況になってほしいなと思います」

(2月18日『news zero』より)
最終更新日:2025年2月19日 10:25