備蓄米放出で米は安くなる? 専門家「ムラがある形で下がると予想」販売店「期待は持っている」
農林水産省は17日、備蓄米の放出に関して業者に説明会を行いました。実際に私たちが食べる米は安くなるのでしょうか? 専門家や販売店を取材しました。
◇
ずばり、専門家に聞きました。
──正直、米の価格はどうなりそう?
米の流通に詳しい 宇都宮大学・小川真如助教
「基本的には下がる方向。ただし一律に下がるわけではなくて、かなりムラがある形で下がると予想しています」
3月半ばから行われる備蓄米の放出。農林水産省は17日、備蓄米を売り渡す対象となる業者に、説明会を行いました。
全国のスーパーに並んでいる米5キロの平均価格は、最新のデータで3688円です。去年は2000円ほどで買えていました。価格高騰が続く背景にあるとみられるのが、消えた21万トンの米です。
去年の米の生産量が前の年より増えているにもかかわらず、集荷量が21万トン少なくなっているのです。高騰が続く米を、「より高い時に売りたい」という生産者や業者の売り渋りなどが一因とみられています。21万トンの備蓄米放出は、米の価格低下につながるのでしょうか? 販売店は…
山川米穀店 山川富弘さん(大分市)
「ものすごい希望的観測。価格が下がるんじゃないかという期待は持っている。備蓄米21万トンで足らなければ『さらに出す』と農水相が言った。その言葉は大きい。ひょっとしたら、米を握っている人が出すんじゃないか」
ただ、「21万トンぐらいじゃ何も変わらない」「これからも値段は横ばいだと思う、せいぜいちょい下がり」と、悲観的な店も。
専門家は、スーパーの米の価格が下がるには2つのパターンがあると指摘します。
宇都宮大学・小川真如助教
「備蓄米で中食・外食の米が足りるようになるとスーパーの米が安くなる」
米は今、いわば飲食店とスーパーが“取り合っている状態”。備蓄米はまず、飲食店などに届くため、結果的にスーパーが米を仕入れやすくなり、価格が安くなる可能性があるといいます。
もう1つのパターンは…
宇都宮大学・小川真如助教
「備蓄米が出ることで、売り渋っている業者がお米を出す。スーパーに米が並んで安くなるパターン」
買い占めなどで売り渋っている業者が米を放出すれば、スーパーの米の価格も落ち着く可能性があるといいます。
宇都宮大学・小川真如助教
「1か月後くらいには一斉に下がるワケではないけど、値段下がった米あるよねというのが、ちらほら見つかるのではと予想」
備蓄米の放出は有効な一手となるのでしょうか。