“キラキラネーム”どうなる?…戸籍のフリガナに判断基準 名前ランキング1位「陽翔」の読みは11通りも【#みんなのギモン】
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そこで今回の#みんなのギモンでは、「戸籍にフリガナ明記へ どこまでOK?」をテーマに解説します。
山﨑誠アナウンサー
「今年5月以降に戸籍法が改正され、これまで名前に漢字が使われている場合、漢字表記だけだった戸籍に今後、フリガナが振られるようになります」
「その際、一般的に認められている読み方でないといけないとされているんですが、その判断基準を法務省が17日発表しました。改正後も認められる例を見ていきます。『心愛』で何と読むでしょうか?」
斎藤佑樹キャスター
「ココア」
山﨑アナウンサー
「『桜良』はどう読みますか?」
刈川くるみキャスター
「サクラですか?」
山﨑アナウンサー
「それもあると思いますが、サラとも読めます。心愛も桜良も、漢字の読みの一部が入っています。『飛鳥』(アスカ)、『五月』(サツキ)も、熟語として一般的な読み方になります」
「そして『美空』(ソラ)、『彩夢』(ユメ)について。『美』と『彩』は読んでいませんが、漢字の意味を名前に込めた置き字になっています。これらは改正後も認められます」
森圭介アナウンサー
「美空さんも彩夢さんもいらっしゃいますよね。改めてOKだという判断なんですね」
山﨑アナウンサー
「一方で、認められない読み方はどんなものでしょうか? 例えば『太郎』と書いてジョージと読ませるなどは、漢字の意味や読み方と関連性がないということで、名前の読みとしては認められません」
「『健』の一文字でケンイチロウと読ませるのも、明らかに別の単語の意味が加わっているのでダメです」
森アナウンサー
「読みの一部は入っているけれども、他の単語が入っているからダメなんですね」
山﨑アナウンサー
「さらに『高』と書いてヒクシなど、漢字の本来持つ意味とは反対の意味の読み方もダメです。『鈴木』と書いてサトウと読むなど、書き間違いや読み間違いなど誤解を招きそうな読み方も認められなくなります」
「こういった混乱を招きそうな読み方や差別的な読み方、明らかに氏名としてふさわしくない読み方は、今後届出がされても認められなくなるということです」
鈴江奈々アナウンサー
「多様な読み方が広がってきているなという実感はありますが、そういう中でもこういった線引きをするというのは何か意味があるということなんでしょうか?」
山崎アナウンサー
「施行される5月26日から出生届を受け取る際に、市区町村の担当窓口が読み方を審査するので、こういった判断の基準が必要になりました」
森アナウンサー
「窓口の方が判断するということなんですね」
山﨑アナウンサー
「では、なぜそもそも戸籍にフリガナを振ることになったのか。行政手続きもデジタル化が進んでいますが、漢字だけでは個人を特定・検索する際に間違う可能性もあります」
「明治安田が毎年12月頃に発表している、赤ちゃんの名前ランキング。2024年生まれ版では男の子の1位は『陽翔』でしたが、ハルト・ヒナト・ハルカ・ヒナタ・ヒロト・アキト・ハルヒ・ヒュウガ・ヒビト・ヤマト・ヒカルの11通りの読み方がありました」
「漢字だけで判断するとなると、なかなか難しくなってきているという現状があります。データベースの作成の時、斎藤さんの『斎』の字もいろんな漢字がありますよね」
斎藤キャスター
「いっぱいあるから検索も大変ですよね」
鈴江アナウンサー
「メールをする時なども確認しますね」
山﨑アナウンサー
「私たちもメールを送る時に何度か確認します。私はヤマザキですがヤマサキなのか、ザキの漢字がどうなのか。周りの方にお手数をかけている自覚もありますが、こういう時にフリガナがあると効果的ということで、戸籍のフリガナが必要になってきているんです」
斎藤キャスター
「読み方や漢字はさまざまなので、カタカナを振ってくれるとわかりやすいですよね」
山﨑アナウンサー
「一目瞭然ですね。今後どうなっていくのでしょうか。すでに戸籍を持っている私たちもフリガナを確認されることになります。まずは5月26日の施行以降、全国の市区町村からすでに戸籍のある全国民あてに、フリガナを確認する通知書が送られてきます」
「これをきちんと確認し、正しければ何もしなくて大丈夫です。間違っていた場合、施行日から1年以内に正しいフリガナの届け出が必要です。マイナポータルや郵送などでできます。間違っていたのに届出をしないと、違ったまま戸籍に載るのでご注意ください」
「そして施行から1年後、2026年の5月26日以降に通知書のフリガナ、直したフリガナが戸籍に記載されるようになります」
「すでに戸籍があり一般的な読み方ではなかった場合はどうか。その読み方で生活している方もいますので、市区町村から審査が入る場合もありますが、社会で通用していることを示せば認められます。パスポートなど公的書類の提出を求められることもあるそうです」
山﨑アナウンサー
「新しい制度が始まると心配されるのが詐欺です。消費者庁などは『フリガナの届出にあたって法務省などが金銭を支払うよう要求することはありません』と注意も呼び掛けています」
(2025年2月18日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)