【マイナ保険証】いまの保険証 ”廃止”まで3か月 利用者や医療機関は不安と戸惑い 今後どう変化? 福岡
マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」への移行に伴い、ことし12月2日以降は現行の保険証の新規発行が終了します。現行の保険証の”廃止”まで3か月、利用者や医療機関からは不安と戸惑いの声があがっています。
■中村安里アナウンサー
「春日市役所のマイナンバーカード窓口です。混雑はしていませんが、窓口には途切れることなく人が訪れています。」
9月3日、春日市役所には新たにマイナンバーカードを作る人やマイナンバーカードを保険証としても利用できるよう、手続きをしに来た人の姿がありました。
■窓口に訪れた人
「12月で保険証がなくなるって聞いたので、早めに作っておこうかなと思って作りにきました。(これまでは)めんどくさかった、あまり興味がなかったというか。」
「詐欺もあったり、悪用されるのはちょっと心配ではありますが、国がしているので。」
マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」。政府はマイナ保険証への一本化を進めていて、現行の健康保険証はことし12月2日から新規の発行が停止されます。
ただ、12月以降も現在持っている健康保険証は最長で1年使えるほか、マイナ保険証を持たない人には保険証の代わりに使える「資格確認書」が送付されます。
つまり、マイナ保険証にあわてて移行する必要はないのですが、この仕組みが浸透していないため戸惑う人もいるようです。
初めてマイナ保険証について説明を受けた女性もいました。
■説明を受けに来た人
「どうしたらいいと、私?」
市には、マイナ保険証に関する問い合わせが増えつつあると言います。
■春日市市民課 受付戸籍担当・牧山拓司統括係長
「健康保険証が12月2日以降使えなくなるのか、マイナンバーカードがないと病院の受診ができないのかといった問い合わせがある。12月を迎えるにあたって、また増えてくるのかなと予想しています。」
福岡県宗像市にあるクリニックです。いまの健康保険証が12月以降も使えることを、ポスターで知らせていました。
■クリニックに訪れた人
「(いま使っているのは)昔の保険証。ついつい前の保険証を持って行く癖がついているので。変われば使うようにしますけれど。」
「現行の保険証を使っていますが、マイナ保険証も持っています。持病があるので、ずっと病院にかからないといけないので最初から作っておこうかなと思って。」
最近では1日100人弱の患者のうち3・4人がマイナ保険証を提示するようになったと言います。
厚生労働省は、マイナ保険証について、処方薬や健診の情報が異なる医療機関同士で共有できるなどのメリットをあげています。
このクリニックの理事長も一定の評価はしていますが、その一方で。
■林外科・内科クリニック 林裕章理事長
「機械がトラブルになったら、保険診療の受け付け自体ができなくなってしまう。そもそもマイナカードは所持が任意なので、マイナカードを持っていない人は別の資格書(資格確認書)を作るなど、そういうとってつけたような政策が窓口の負担を増やす方向にしか働かない。もう少しマイナ保険証をちゃんとスムーズに利用できるようなシステムをしっかり構築してから、現行の保険証を廃止してただきたい。」
マイナ保険証への移行を進めたい国と、制度設計の複雑さに戸惑い困惑する人たち。混乱はしばらく続きそうです。
では、健康保険証が今後どう変化するのか、改めて整理します。
お伝えしていますように、政府はマイナ保険証への一本化を進めていて、現行の健康保険証はことし12月2日から新規の発行が停止されます。
ただ、今お持ちの保険証は12月2日以降も、最長で1年間利用することができます。
また、マイナンバーカードを持っていない人やマイナ保険証の利用登録をしていない人には、12月以降に順次「資格確認書」が送られてきます。これは保険証の代わりとして利用できるもので、有効期限は最長で5年となっています。