料理しやすく幅広い世代に人気 ブロッコリーが国民に欠かせない「指定野菜」に 福岡では
ブロッコリーが好きな人にとってはうれしいニュースですね。国は、ブロッコリーが国民に欠かせない野菜だとして新たに「指定野菜」に追加することを決めました。農家の収入や価格などが安定することが期待されます。
■中村安里フィールドキャスター
「こちらの青果店には、店先の目立つところにブロッコリーが陳列されています。まるまるとしておいしそうです。」
福岡市中央区の青果店、かいぶつくん薬院店では、ブロッコリーを手に取る人の姿が多く見られました。
■70代
「しょっちゅう。冷蔵庫に入れて、少なくなったらまた買って、常に用意しています。ビタミンが多いからと思って。」
■60代
「私は1週間に1度か2度。あんかけとかサラダ。電子レンジでできるでしょ。」
ブロッコリーは料理に使いやすいことから幅広い世代に人気で、この店では毎日入荷しています。
■かいぶつくん薬院店・篠原加代子店長
「きょうは5ケース、大体60個くらい、夕方くらいには売り切れてしまいますね。」
こちらは、2人以上の世帯で年間のブロッコリーの購入量を調べた結果です。おととしの購入量は1世帯当たり4850グラムで、10年前と比べておよそ3割増えています。
需要の高まりなどを受け、農林水産省はブロッコリーが国民に欠かせない野菜だと判断し「指定野菜」に追加することを決めました。
指定野菜になると、生産量の多い産地ではその野菜の価格が下がったときに、国から農家へ補助金が支給されます。農家が安定した収入を得ながら野菜を作り続けられるため、市場に出回りやすくなり消費者にとってもメリットがあります。
■篠原店長
「農家の方が、補助金が入ってくると作る人も増えたりして、量が増えると、その分、価格も下がりますしね。」
福県糸島市の生産現場を訪ねました。
■阿部まみフィールドキャスター
「ブロッコリー、ありますね。」
■JAいとしまブロッコリー部会長・椎葉元紀さん
「包丁で切ります。そしていらない葉っぱを落とす。」
農家の椎葉さんは、ブロッコリーを生産して16年目になります。
■椎葉さん
「冬場の今が一番ゆっくり育つので、甘みも強いよいブロッコリーが育ちます。どんどん消費も伸びていると聞いているので、人気の野菜じゃないかと思っています。」
多い時で1日に2400個のブロッコリーを出荷していて、指定野菜への追加に期待感をにじませていました。
■椎葉さん
「どうしてもブロッコリーは天気や気温などに大きく左右されてしまう作物なので、量があふれて価格が下がった時に、指定野菜になれば少し補填されるようになるのかなと思っています。私たちとしては大変ありがたくうれしく思っています。」
一方、福岡市中央区のデリバリー専門店、東京チキンファクトリーでは、ボウルに大量のブロッコリーが山盛りになっていました。毎朝、生のブロッコリーを塩ゆでしていて、1日に20株ほど使うといいます。
■東京チキンファクトリー天神店・中尾大和店長
「1日もつときもあれば、完全に売り切れる時もあります。」
店の売りであるブロッコリー料理を食べてみました。
■檜垣すみれフィールドキャスター
「濃い緑色がとっても鮮やかです。いただきます。食感がコリコリしていて、とても食べ応えがあります。塩ゆでされていて、ブロッコリーのほのかな甘みも感じられます。」
■中尾店長
「女性も多いと思うが、トレーニングしている人は健康需要も高まってきていることから多いと思います。」
需要の高まりを受け、指定野菜に「昇格」するかたちとなったブロッコリーを、食卓で目にする機会が増えるきっかけになるでしょうか。
農林水産省の指定野菜は、現在は14品目あります。キャベツやキュウリ、トマトなど、食卓によく並ぶ野菜が多いですね。
この中で、最後に指定野菜に追加されたのが「じゃがいも」なのですが、指定されたのは1974年なので、ブロッコリーの追加はおよそ半世紀ぶりとなります。
ブロッコリーが指定野菜になるのは2026年度からです。