【実りの秋】出回り始めた新米「コメ不足は解消する」ただ仕入れ値は上昇 割高感は続きそう 福岡
全国的なコメ不足の影響で、福岡県内でも品薄の状態が続いています。全国各地で新米の収穫がこれから本格化し、“コメ不足”は解消される見通しですが、価格が下がるかどうかは不透明な状況です。
3日、北九州市門司区では、子どもたちが昔ながらの稲刈りに挑戦していました。5月に授業の一環で一つ一つ手で植え、実りの時期を迎えた福岡県産の「夢つくし」です。
鎌を使って稲を刈ろうとしますが。
■児童
「難しい。」
「(コメが)品薄の中で、こうやっておコメが取れるのはうれしいです。」
子どもたちも実感する『コメ不足』。
■吉村史織アナウンサー
「店に入ってすぐのところに、購入制限があると書かれています。」
福岡市南区にあるコメの専門店では、店頭に並ぶコメが種類・量ともに例年の半分以下となっていて、先週から一家族5キロまでに購入量を制限しました。在庫の問い合わせも、毎日ひっきりなしに続いています。
■電話応対
「(大量販売は)いったん取りやめさせていただいていて。9月の下旬から復活すると思っています。」
九州農政局によりますと、地震や台風に備えた「買いだめ」に加え、食品全体の価格が上昇する中で、コメに割安感があることからコメの消費が増え、在庫の減少につながった可能性があるということです。
■購入した人
「息子が食べるおコメがなかったので買いに来ました。私は我慢して、息子に食べさせようと思っています。」
「スーパー2軒回ったけれどなかったんですよ。5キロまでって言われたので、5キロしかないです。大事に使います。」
この店では全国各地から米を仕入れていますが、仕入れ価格は去年末から上がり始め、多くの品種で2割から3割、人気の品種では5割増しとなっています。
さらに、出回り始めた新米も高値が続いているということです。
■米のしんかい みのりや・新飼哲哉 代表理事
「現在の高値のまま、新米に関しても推移していますので。もちろん、供給が安定してくれば、価格も本来は下がってくるはずなのですが、非常に緩やかに下がってくるのかなと考えています。」
一方、JAの直売所では。
■吉村アナウンサー
「地域から野菜が集まる中、こちらのコメの箱には1粒も入っていません。」
JA筑紫の5店舗ある直売所では、8月24日に看板商品のコメが完売し、在庫がなくなりました。
■JA筑紫 ゆめ畑大野城店・古賀健太郎店舗長
「今までなかったですね。こんなに早く売り切れるとは、想像もできておりませんでした。申し訳ございません。」
コメの品薄状態について、坂本農水大臣は3日の会見で、9月末までに年間出荷数量の4割程度の新米が産地から出荷されるという見通しを明らかにしました。
■坂本農水相
「早晩、このコメが不足する状態は解消するだろうと。」
ただ気になるのは、その価格です。3日から組合員の新米の収穫が始まったJA筑紫では、10月初旬にも店頭に並ぶ予定の新米の価格は上がる見込みです。
■古賀 店舗長
「令和5年産に比べて、価格は申し訳ないのですが、上がることは間違いないかなと考えております。農業所得の向上も、もちろん一つありますし、人件費の高騰、資材、肥料、農薬なども高騰しているので、そういったものがおコメに反映するのは非常に致し方ないかなと考えています。」
"令和の米騒動"と呼ばれる全国的なコメ不足。実りの秋の訪れとともに品薄が解消したとしても、割高感は続くことになりそうです。