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猛威振るうインフルエンザ 長期化で「いままでにない流行の形」 薬不足も深刻に 福岡

2024年2月5日 17:39
猛威振るうインフルエンザ 長期化で「いままでにない流行の形」 薬不足も深刻に 福岡
猛威振るうインフルエンザ 薬不足も深刻

本格的な受験シーズンを迎えるなか、福岡県ではインフルエンザが猛威を振るっています。治療薬や解熱剤は去年から不足が続いていて、医療現場は対応に苦慮しています。

福岡市早良区の西南学院大学では、5日から一般入試が始まりました。

受験生には健康管理への緊張感もあったようです。

■受験生たち
「インフルとか周りではやっていたからマスクをして気をつけました。」
「僕は(以前)入試の2週間前にインフルエンザにかかっていたので、そういうので1週間無駄にしたらもったいないので、しっかり気をつけていました。」

猛威を振るうインフルエンザ、福岡県では10週続けて警報レベルとなってます。

学年閉鎖や学級閉鎖も相次いでいて、福岡県内では2日金曜日、小・中学校など99校から報告がありました。

それだけではありません。

■元木寛人フィールドキャスター
「筑紫野市ではきのう開催予定だった駅伝大会がインフルエンザの影響で中止となりました。」

筑紫野市で毎年開かれている駅伝大会には、当初、中学生から社会人までの全25チームが参加予定でしたが、メンバーのインフルエンザ感染を理由に、半数近い11チームが参加を辞退しました。

これを受け、市は大会の2日前に急きょ、中止を決めました。

担当者によりますと、インフルエンザによる中止は記録にないということです。

福岡市内のクリニックも混雑していました。

■元木キャスター
「今、こちらではインフルエンザかどうかの検査が行われています。」

■医師
「あーって言って。」
■患者
「あー。」
■医師
「真っ赤ですね。」

このクリニックでは毎日、10人から15人がインフルエンザと診断されているといいます。

■小学3年生の息子が受診
「きのうとかすごく熱が高くでたので、急患センターに行ったらインフルエンザのB型で陽性。」

インフルエンザの患者は、例年より早い去年の8月ごろから出始め、年明けも途切れることなく続いているといいます。

瀬川院長は、コロナ禍の感染対策で集団免疫が落ちたことが原因のひとつと指摘します。

■みみ・はな・のど せがわクリニック・瀬川祐一 院長
「そのころ(コロナ前)と(比べて、)同じかそれよりも多い印象です。ここまでインフルエンザの人が多くて長期にわたるのは経験がない。いままでにない流行の形だなと思う。」

瀬川院長はいまが流行のピークだとみていて、食事や休息をしっかり取り、ウイルスに負けない体を作ってほしいと呼びかけています。

この流行を受け、調剤薬局も深刻な事態に陥っていました。

■永易友希記者
「福岡市南区にあるこちらの薬局では、子ども用のインフルエンザの薬が不足しているといいます。」

インフルエンザの代表的な治療薬であるタミフルの瓶には、「少量です」の付箋が貼ってありました。

タミフルについては、去年夏から患者が急増したことで生産が追いついていないといいます。

5日は入荷しましたが、処方できる量は2・3人分です。

■いずみ薬局 薬剤師・清水敦さん
「普段、注文したら午前中であれば午後に入ってきたり、午後に注文したら翌日に入ってくるというのが通常でしたが、いまは、注文したらメーカーから卸に入ってそれが割り当てになるから、いつ、何本入ってくるかは読めない。」

また、子ども用の解熱剤の在庫はいま残っている分だけです。

■清水さん
「先生と相談して、保護者に粉薬がない状態だから、吸入薬などを吸うことができれば、変更させていただくとか、近隣の薬局との助け合いになるが、数日後に入ってくる見通しがあれば、1・2人分を分け合うとか、地域の中での助け合いをしながらなんとかつないでいる。」

薬不足解消のメドはたっておらず、医療現場では、必要な人に必要な量の薬が届くよう、知恵を絞る毎日が続いています。