シリーズ「こどものミライ」危険な場所は「入りやすくて見えにくい」小学生が街を歩いて考えた 北九州市
■九州共立大学・貝掛祥広准教授
「皆さんが日頃、通学している道がありますよね。そこが安全と思っていたけれど、危険な場所だったりするかもしれません。」
北九州市小倉北区の南丘小学校で11月、子どもたちが取り組んだのは、身近にある危険な場所を知るための「安全マップ」を作る授業です。
学生ボランティアとともに授業を行っている九州共立大学の貝掛准教授は、行政や警察などと連携して6年前からこの取り組みを続けています。
■貝掛准教授
「犯罪を犯す場所というのは『入りやすくて、見えにくい』、これが危険な場所を示します。『見やすい』『見えにくい』という言葉を中心に、お子さんたちにしっかりと確認してもらいたい。」
■小学生
「入りやすくて、見えにくい。」
犯罪を防ぐポイントは、犯罪者が「入りやすい」場所、そして周囲からは「見えにくい」場所を知ることです。
子どもたちは、実際に学校の外を歩いて「安全マップ」を作るための情報を集めます。重要なのは、自分たちで感じ、考えることです。
■貝掛准教授
「なぜ、ここが安全か危険か。」
■小学生
「狭い。人がいない。」
■貝掛准教授
「ここからパーッと見たら、皆さん『見えにくい』ですよね。」
高台にあるこの公園は茂みが多く、周りの目が届きにくいことで犯罪リスクが高くなり、子どもたちにとって危険な場所と判断されました。
一方、見通しの良い公園は、犯罪者が「入りにくい」ため、安全な場所とされました。
■大学生
「ここは安全ですか。」
■小学生
「安全。入りにくくて、見えやすい。」
子どもたちは、通い慣れた公園や通学路を観察し、危険か安全かを自分たちで考えました。
■小学生
「(どうしてここで写真を撮った?)ここが高くて見えにくいから。」
「壁が高いから危険。見えにくい。」
学校に戻った子どもたちは、自分たちの目で確認した安全な場所、危険な場所を地図にまとめて発表しました。
■小学生
「空き家が放置されていて、周りからの監視が少ないから危険だと思います。」
「木が多くて見えにくく、周りからも見えにくいので危険だと思いました。」
「公園に遊びに行く時は、安全な道を通ろうと思いました。」
■小学生
「公園は楽しいなと思っていたら、きょうの学習で危険と安全が分かりました。」
「みんなと想像がたくさんできて楽しかった。危険な場所には近づかないということを、今後の生活で気をつけていきたいです。」
貝掛准教授は、子どもたちに危険な場所を考えてもらうこの活動は、犯罪が起きにくい街づくりにつながると考えています。
■貝掛准教授
「1回こういう取り組みをやっただけで、すごく安全な未来ができるのかと言ったらすぐにはできないが、ずっと地道にやっていく中で、犯罪が起きにくい雰囲気はできる。小さな取り組みを続けていくことがすごく大事だなと思って、ずっとやっています。」
子どもたち自身が「犯罪が起きやすい場所」に気づくことができるように。作った地図は、ミライへの道を照らします。
※FBS福岡放送めんたいワイド2024年12月5日午後5時すぎ放送