【ドキュメント】「最強・最長寒波」福岡でも雪かきする人・峠道には凍結防止剤 冬用タイヤの予約次々と
今シーズン最強で、長く影響が続くとみられている寒波に警戒が高まっています。福岡県内各地での影響や備えをまとめました。
夜が明けきらぬ4日朝、飯塚市では大粒の雪が降っていました。
■山木康聖ディレクター
「雪の粒がかなり大きくなったように感じます。自分のジャケットの上にも雪が積もっています。」
夜が明けた田川市では一面が雪景色になり、子どもたちは足元に注意しながら登校していました。
この冬一番の強い寒気が流れ込んでいる福岡県内では、3日夜から各地で雪が強まり大雪注意報が発表されました。
4日朝の最低気温は、添田町で氷点下2.2℃、八女市で氷点下1.8℃など、厳しい冷え込みとなりました。
東峰村では、診療所の前で雪かきをする人の姿がありました。
■診療所の人
「お薬がなくなる方もいるし、数日、雪と言っているので取りに来る方もいるでしょうし。」
■カメラマン
「毎回、雪のたびに大変ですね。」
■診療所の人
「仕方ないですよね。」
■竹原侑記者
「午前7時半の福岡市・天神です。先ほどからかなり雪が強くなってきました。通勤する人たちは傘をさしながら会社に向かっています。」
雪の影響で移動手段を変更したという人もいました。
■通勤する人
「通勤経路を変えました。(家が)鳥栖なんですね。あっちの方、いっぱい降っていたんですよ。車が出せなかったので、交通機関を乗り継いで。」
「電車が止まるようなら、早く帰ろうかなと思います。」
西鉄の高速バスは4日、福岡と九州各地を結ぶ路線で条件付き運行となりました。また、空の便は羽田行きの便などで欠航便が出ました。
通勤客からはこんな声も聞かれました。
■通勤する人
「(普段は会社に)車で行くのですが、夜の凍結が怖いのでタクシーで。」
警戒していたのは、路面の凍結です。
■加藤雅大記者
「こちら、道路の凍結防止剤の詰め込み作業が行われています。」
国から委託された業者が今後の大雪に備え、峠道などを中心に路面の凍結防止剤をまいていました。
■日東道路・臼杵正道さん
「標高が高い道では雪が降りやすいし、峠なのでカーブ区間もある。スタック(立ち往生)車両や事故がないように、国道利用者が安心して使用できるように。」
雪の降り方に応じて、多い時には2・3時間に1回のペースで散布しているということです。
■吉村史織アナウンサー
「こちらのレンタカー会社では、雪道での運転に備えてスタッドレスタイヤの問い合わせが増えているといいます。」
レンタカー会社にはここ数日、冬用タイヤに関する問い合わせが相次いでいます。
■スタッフ
「あすの朝8時でスタッドレスタイヤのご予約ですね。ちょっと空き状況が厳しいので、車種によってはご用意できるものもあれば、できないものがあります。」
この店ではこの時期、全体の2割に当たる35台ほどに冬用タイヤを装着していますが、今週いっぱいはその多くが予約が埋まっています。
■利用客
「山あいに行くので、事前に借りておいた方がいいと思って。スタッドレスで。何かあった時のために。」
■スタッフ
「苅田から中津。」
「その地点、雪(で通行止め)です。」
東九州自動車道の苅田北九州空港インターと中津インターの間は、午前11時ごろから上下線で通行止めとなりました。
■スタッフ
「路面凍結や雪で、通行止めや冬用タイヤ規制になることがあるので。」
常に主要な道路の状況を確認し、スタッフ内で共有した上で利用客に伝えているということです。
■ニコニコレンタカー福岡空港店・杉村正和 店長
「(雪道では)車間距離を十分にとってスピードを出さない。この2点が重要だと思う。」
大雪への警戒が続く中で行われたのが、高校の入学試験です。
■川崎直人記者
「雪がちらつく中、受験生たちが次々と高校へ入っていきます。」
北九州市小倉北区の私立真颯館(しんそうかん)高校では、およそ530人が受験しました。
■受験生
「雪の影響も怖いですし、余裕をもっておこうという感じで。」
「寒がりなので、きょうこの服を着てきたけれど、まだ寒いですね。」
■教員
「入り口でカイロと案内図を預かってください。」
受験生には寒さ対策としてカイロが配られたほか、会場の体育館には暖房器具が設置されました。雪の影響で開始時間に間に合わなかった受験生には、別の部屋や別の日に試験を行う予定でしたが、対象者はいなかったということです。
■真颯館高校・伊藤孝文 校長
「事前の準備をしておかないと。空振りするのは私はいいと思っている。何も対策しないで本当に大雪の影響が出た場合、どうしようもない状態になると思いますので、今回できてよかったと思っています。」
福岡・佐賀の雪のピークは5日午後と予想されています。5日夕方までの24時間に予想されている雪の量は、いずれも多い所で山地で20センチ、平地で10センチです。引き続き警戒が必要です。