【終活バスツアー】旅を楽しみながら人生の最期を考える 戒名込み10万円葬儀も体験 40代から70代が参加 福岡
こちらはバスツアーの様子ですが、人気の観光地を巡るツアーではありません。人生の終わりについて考える「終活」を楽しく学ぼうと行われた「終活バスツアー」です。そのツアーに同行しました。
観光バスに乗り込んだ人々は、道中で車窓から流れゆく景色を楽しんだり、昼食の弁当に舌鼓を打ったりと、ツアーを楽しんでいました。
■主催者
「相続を放棄すると、お墓や位牌も継承できなくなる?マルと思う方は?」
このバスツアーは、よりよい人生の最期を迎えるための活動「終活」をテーマにしています。
福岡市の墓石なども扱う石材会社が、相続や葬儀について楽しく学んでもらおうと企画したもので、40代から70代までの男女29人が参加しました。
■50代の参加者
「夫が外国人で娘が2人、お墓を作ったとしても面倒が見られないかなと思いまして。どういった形があるのかなと興味深くて参加しました。」
バスの車内ではまず、司法書士による「遺産相続セミナー」が開かれ、遺言書を書くタイミングやコツが伝授されました。
■司法書士・藤井真司さん
「なぜその金額なのか、あるいはなぜこの子に(財産を)残すのかという理由を書いてくださいというのが、遺言を書くコツでもあるんです。」
ある調査では、65歳以上で遺言書を書いている人は1000人中、3人程度だということです。
本人の死後、「遺産相続」をめぐる家族や親族の間でトラブルを防ぐため、早めに遺言書を作っておくことが大事だとしています。
そして、一行が向かったのは熊本と大分の県境にある寺、金剛宝寺です。ここでは「樹木葬」を見学しました。
「樹木葬」は許可を得た墓地に遺骨を埋葬し樹木や花を墓標として故人を弔います。金剛宝寺では小さめの墓石を伴う樹木葬を提供しています。
墓石の費用や管理費を含めて45万円です。その後、追加のお布施などは必要なく、寺が続く限り供養・管理してくれるといいます。
■金剛宝寺・井上道陽 副住職
「山奥にあるとか島にあるとかで、墓掃除で毎年帰れない、福岡から帰れないと。墓守の代行の機能がついて、リーズナブルな価格で出ているのでものすごい人気で、石の完成を待ってる人が150件待ちです。」
また、この日は10万円でできる葬儀のデモンストレーションも行われました。一般的に葬式は100万円以上かかるとされますが、こちらでは寺の中に葬儀の施設があり、葬儀会社ではなく寺が執り行うほか、花など備え付けのものを使うなどして費用を抑えているといいます。
この10万円には、亡くなった人につける「戒名」の費用も含まれています。
■金剛宝寺・井上仁勝 住職
「戒名って実はお寺さんによって費用が違いまして、戒名料って世間一般では大体1文字10万円って言われているんです。専門家から見たときに必要なものは全部入れている。皆さん、知識がないことが前提なので、私たちが全部用意しておりますので、この金額で全部収まるように作っております。」
■60代の参加者
「樹木葬が思ってたのと違った。なぜこんなに安い値段でできるのかとか。今度は夫を連れてこようと思っています。」
「あんまり深く考えなくて参加したのですが、今からの生き方をどういう風に考えるかなって感じで、本当に参加させてもらってよかったです。」
■山野石材・中野誉久課長
「お葬式はこうしたい、お墓はこうしたい、そこでお得に選んでもらって、浮いたお金で残りの余生で自分の好きなことをして、親にとっても子どもにとっても ウィンウィンといいますか、終活をハッピーにできるというのを広めていきたいなと思っています。」
重い気分になりがちな終活を、楽しみながら学ぶことができるこのツアー、今後も不定期での開催を予定しているとのことです。