運転免許返納者対象　JR九州“乗り放題切符”販売を発表　高齢ドライバーの事故後を絶たず

JR九州は25日、車の運転免許を返納した人を対象に、乗り放題切符を発売すると発表しました。高齢ドライバーによる事故が後を絶たず、福岡県でも、ことしすでに3500件を超えています。

高齢者が運転する車のドライブレコーダーの映像です。車を動かした直後に急発進します。

■運転手
「あれ？」

アクセルとブレーキの踏み間違えです。よく見ると、前方には人の姿がありました。さらにその先にも、あわてて避ける様子が映っています。車は柱にぶつかり、ようやく止まりました。

福岡県でも、高齢ドライバーによる事故が多発しています。

警察によりますと、9月末までの65歳以上の高齢者による事故は3538件で、去年の同じ時期と比べ、200件以上増えています。

免許の自主返納について、街で聞いてみました。

■福岡市（89）
「もう返納した。何回か事故を起こしたので。追突事故。」

■福岡市（82）
「（Q. 免許の返納は？）全然考えていません。用心して運転しています。（免許が）ないと買い物とか困る。」

■福岡市（65）
「70歳を超えたらいいかなと。事故とか多いじゃないですか。田舎に住んでいると必要かもしれないけど。」

■筑後市（64）
「地域のバスがあれば。自分の住んでいるところはバスの本数が少ない。」

返納を検討しているものの、車が生活の足となっているため、ためらう人も少なくないようです。

こうしたなか、JR九州は25日、65歳以上で免許を返納した人を対象に乗り放題切符を発売すると発表しました。

今回は実証実験で12月の1か月間、5000円で福岡県を中心とした路線の普通と快速列車が乗り放題になります。利用状況をみて、今後エリアの拡大も検討しているということです。

JR九州は免許を返納した人の利便性向上とともに、鉄道の利用拡大につながることも期待しています。

改めて、JR九州が行う実証実験についてです。

まず、対象は65歳以上で免許を返納した人です。乗り放題切符を利用する場合は、警察署などで交付される『運転経歴証明書』が必要となっています。

利用期間はことしの12月1日から31日までの１か月間で、発売額は5000円です。

利用できる区間です。鹿児島線の博多から門司港、博多から大牟田、香椎線の香椎から西戸崎、久大線の久留米からうきはなど、これらの区間の普通と快速列車が乗り放題になります。

今回は実証実験で先着100人、受け付けは26日からJR九州のホームページで始まります。