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【企画】新人記者が機動隊に体験入隊 有事に備える日々の訓練に感じたこと 佐賀県警

2023年12月4日 18:15
【企画】新人記者が機動隊に体験入隊 有事に備える日々の訓練に感じたこと 佐賀県警
体力自慢の記者が挑戦

ことし7月、記録的な大雨で土石流が発生した佐賀県唐津市浜玉町で捜索を行う、佐賀県警・機動隊の隊員たちです。過酷な任務にあたる機動隊の訓練を、FBSの新人記者が体験しました。有事に備えるとはどういうことなのか、記者が感じたこととは何でしょうか。

テロ対策や災害時の人命救助など有事に備え、佐賀県警の機動隊が訓練に励んでいます。約80人の隊員が所属する、治安維持の“最後の砦”です。

11月下旬、記者向けに体験入隊の機会が設けられました。

■児玉悠一朗記者(24)
「全部つけたら何キロくらい?」
■隊員
「この装備品だけで6・7キロくらい。(盾を含めて)総重量でいくと14キロくらい。」
■児玉記者
「14キロ持って走ったことない。頑張ります。」

FBSから参加したのは、新人の児玉悠一朗記者(24)です。

まずは基礎的な体力作りからです。過酷な訓練に耐え抜くには走り込みが欠かせません。

■隊員
「1.2ソーレ!」
■児玉記者
「頑張れ、頑張れ。」

隊員に負けじと声を出す児玉記者は、大学時代までラグビーで鍛えた体力には自信があります。ともに体験入隊したほかの6人の記者が次々と脱落していくなか、なんとか1500メートルを走り抜きました。

■児玉記者
「ちょっとやばいですね。想像以上に重いですし、動きづらいのもあって、それで疲れてしまって、思うように動けなかった。」
■隊員
「まだ始まって15分しかたっていないですけど。」
■児玉記者
「まだ15分ですか。いやー。」

続いては、盾を使った訓練です。機動隊員は、火炎瓶や石が飛び交うような危険と隣り合わせの状況で、安全確保の最前線に立ちます。

盾の重さは6キロで、両手で持ち上げる動作を30回繰り返します。

■訓練
「1、2、3。」
■児玉記者
「うおー。」

こちらは、前に盾を構える『前方阻止』という訓練です。暴力的な集団の前進を阻止しなければならない現場では、盾を連ねて強固な壁をつくります。

日々の訓練で培われた隊員たちの団結力を見せてもらうために、ラガーマンの児玉記者が安全に配慮した上で『盾の壁』に突進します。

■児玉記者
「マジで頭揺れました。強い。壁でした。」

そして最後は、災害現場を再現した訓練に臨みます。大雨による土砂や流木に巻き込まれた車の中に、取り残されている人がいるという想定です。

佐賀県警の機動隊はことし7月、唐津市浜玉町の土石流現場に投入され、避難誘導や捜索活動、ガレキの撤去を行いました。

隊員たちとともに、訓練に臨んだ児玉記者はまず流木を1本ずつ取り除きます。その後、特殊な機具で車のドアを開き、助け出した後は、首や体を固定して搬送します。

■隊員
「大丈夫ですよ。助けますよ。」

今回の体験入隊は、全部で約3時間でした。隊員たちは日ごろ、体験入隊と比べ、質・量ともに3倍ほどの訓練をこなしているということです。

■児玉記者
「体験してみて一番思ったのは、事件事故など毎日起こらないものに対して毎日訓練をするというのは、気持ちとしてもしんどいものはあるのかなと思ったのですが、隊員の方々は前向きに訓練をしていて、有事の際にすぐに行く。行くために毎日訓練をしているというのは尊敬する。」

厳しい訓練に裏打ちされた機動隊員たちの自信と誇りが、市民の安全・安心を支えています。

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