【市長のハラスメント問題】「化粧をしていないのか」「職員は敵」百条委で一部の発言を認める 辞職は否定 福岡・宮若市
福岡県宮若市の塩川秀敏市長が一部のハラスメント言動について15日、公の場で認めました。一方で、辞職については否定しました。
宮若市の塩川市長は午前8時すぎに登庁しました。
■阿部まみフィールドキャスター
「公開での聞き取りが行われますが、どういう気持ちで臨みますか。」
■塩川市長
「真摯(しんし)にしっかりと対応させていただきます。」
多くの職員に対するハラスメント言動が問題となっている塩川市長に対し、市議会の調査特別委員会、いわゆる百条委員会で聞き取りが行われるのです。
■阿部フィールドキャスター
「これから百条委員会が開会します。傍聴席には多くの市民の姿があります。」
塩川市長は深く礼をして議場へと入りました。市職員でつくる労働組合が行ったアンケート結果などをもとに、市長への尋問が始まりました。
■百条委員会・神谷喜久雄 委員長
「『女性はダメなんだ』『これだから女性は』『きょうは化粧をしていないのか』『政策部署に女性はいらない』の発言は事実ですか。」
■塩川市長
「『女性はダメなんだ』『だから女性は』ということはないと思います。『化粧していないのか』というのは、顔を見て私は言うことがあると認識しています。」
また『政策部署に女性はいらない』という発言については、発言したかどうかは明言せず「政策部署に女性はいらないということについては思っておらず、4月の人事には女性課長と女性補佐を作って、女性の意見は非常に大事にしている」と述べました。
■塩川市長
「運転手やったら自分のスマホ見るんか?おぉ!!」
■職員
「すみません。」
■塩川市長
「すみませんで済むか!!」
■職員
「すみません。」
※職員は運転中にスマホは見ていません。
去年4月、知人が経営する店を訪ねた際の公用車内での発言について説明しました。
■塩川市長
「市民の意見をうかがうことは公務員にとって重要かと思いまして、そういう場を作っているときに、そこに参加する状況が十分でなかったために、『すみませんで済むか』というきつい言葉を言いました。非常に適切ではなかったなと思っています。」
発言の事実を認め、反省の言葉を口にしました。一方で「職員は敵だ」という発言については、次のように述べました。
■塩川市長
「昨年3月に市長に赴任しまして、非常に四面楚歌の厳しい状況でした。課長さんはあいさつをしてくれる人もいないし、職員も情報を提供してくれない。そういう中で、気持ちの中ではこういうふうに私は思っていたと思いますので、こういう発言はどこかでした可能性があると思っています。」
証人尋問では一部のハラスメント発言を認めた一方、「記憶にない」「分からない」といった答弁も多くみられました。
宮若市民はどう受け止めているのでしょうか。
■市民
「早く辞めてもらいたいね。セクハラ自体バツですよ。」
「騒動を起こして、そんなに税金を使ってもらいたくないんですよね。円満に解決したらいい。」
百条委員会での尋問を終えた市長は、今後について語りました。
■塩川市長
「こういうふうに職員が思っているのかということは重々分かりましたので、今後、私がしっかり応えていく、改めていくということは課題だと思っています。」
■記者
「辞職してくれという声がありましたが。」
■塩川市長
「感じるのは大事だと思う。それでいいと思います。職員に謝っていくことが大事。私の課題にしっかり取り組んでいきます。」
辞任については否定しました。去年12月から自費で4回のハラスメント研修を受け、自らのハラスメントを認識できているといいます。
百条委員会では今後、被害を受けた職員に尋問するかなどを含め、調査の方法を検討するとしています。
宮若市議会では16日、塩川市長に対する不信任決議案が提出され、採決される見通しです。