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ヘリ機体に何らかの不具合か「看護師を脱出させたあと体力の限界に」運航会社社長が明かす 航空事故調査官は現地調査を終了

2025年4月11日 8:32
ヘリ機体に何らかの不具合か「看護師を脱出させたあと体力の限界に」運航会社社長が明かす 航空事故調査官は現地調査を終了

長崎県壱岐市沖で、医療搬送用ヘリが転覆し、搬送中の患者ら3人が死亡した事故についてです。ヘリの運航会社の社長は11日、事故当時、機体に不具合があったとみていることを明らかにしました。

■エス・ジー・シー佐賀航空・中山博樹社長
「多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりおわび申し上げます。申し訳ございません。」

佐賀市にあるヘリの運航会社、エス・ジー・シー佐賀航空の中山博樹社長は11日、今回の事故について謝罪しました。

この事故は6日、長崎県壱岐市沖で、対馬市から福岡市内の病院に飛行していた医療搬送用ヘリが転覆した状態で見つかり、搭乗していた6人のうち、患者と付き添いの家族、医師の計3人が死亡したものです。

ほかの3人は命に別条はありませんが、機長と整備士は背中の骨を折る重傷であることが新たに分かりました。

中山社長によりますと、ヘリを操縦していた機長は事故直前、機体を着水させるしかないと判断し、浮き具を作動させたと話しているということです。中山社長は、機体に何らかの不具合があったとみています。

その後、機長らはフロントガラスが割れた機体の前面から脱出し、ほかの搭乗員の救助を試みたといいます。

■中山社長
「かなり波が強くて、2メートル、3メートルの波で(機長が)救助にあたったが、看護師を脱出させたあと、体力の限界ということになったと。誠に申し訳ないと言っています。」

エス・ジー・シー佐賀航空をめぐっては、去年7月に福岡県柳川市で運航していたヘリコプターが墜落し2人が死亡しています。

■中山社長
Qなぜ事故が相次ぐ?
「分かりません。故意に事故が発生してしょうがないなというようなことは一切やっていませんし、そうでない、何かの不具合によるイレギュラーなところでの発生だと思っております。とにかく、今回の事故の原因を事故調査の方からも究明いただけるように、私たちも全面協力をして対応しようと思っております。」

11日午前、エス・ジー・シー佐賀航空には再び、国の航空事故調査官が入り、事故機体などを調べました。これで、現地調査は終了したということです。

今後、調査官は回収したエンジンの記録装置を東京に持ち帰り、解析することにしています。

最終更新日:2025年4月11日 8:35
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