「歩行者が!」「しっかり止まって」高齢ドライバーが体験型の講習会 事故の原因の6割は“安全不確認” 福岡
福岡県内ではことし、高齢ドライバーによる事故が増加傾向です。警察では、体験型の講習会を開くなど、高齢者に安全運転に対する意識を高めてもらう取り組みを続けています。
9日、安全運転の講習会が開かれたのは福岡県筑紫野市の自動車学校です。60代から80代の高齢者10人が参加しました。
■参加者(80)
Qご自分の運転技術はどう思いますか
「上・中・下で言ったら中くらい。」
大型免許を持っているという76歳の男性です。自分の運転には「ある程度、自信がある」と話していましたが。
■教官
「お父さん、歩行者が!」
■参加者
「手を挙げとるけん、渡ると思ったけど。」
■教官
「必ず止まってくださいね。」
右折を始めた際に歩行者に気づかず、同乗する教官がブレーキを踏まなければ、危うくぶつかるところでした。
■参加者(80)
「安全運転に努めます。横断歩道の前で必ず徐行か停止をする。」
福岡県内ではことし、高齢ドライバーによる事故が3月末までに1158件起きています。去年の同じ時期と比べ、18件の増加です。去年のデータを分析したところ、事故の原因にはある特徴がありました。
■筑紫野警察署・前島雅一 交通課長
「前後左右の人や車に気づかなかったり、脇見や考えごとなどで発見が遅れたりして事故につながるのが、“安全不確認”です。」
周りの安全確認を怠る“安全不確認”は、高齢ドライバーによる事故の原因の6割を占めるということです。
■教官
「もうちょっとしっかり止まってくださいね。」
こちらの参加者は「一時停止が甘い」と注意を受けました。
参加者たちは安全運転に必要な基本的な交通ルールを再確認していました。警察は、高齢ドライバーに対し「自分の体力や認知機能の変化を十分に認識し、安全運転に努める意識を徹底してほしい」と呼びかけています。