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不適切な指導を苦に自殺 博多高校剣道部での『指導死』 当時の顧問と和解成立の母親が会見

2023年10月12日 18:28
不適切な指導を苦に自殺 博多高校剣道部での『指導死』 当時の顧問と和解成立の母親が会見
『指導死』母親が元顧問2人と和解成立

3年前、福岡市東区にある博多高校の剣道部に所属していた1年の女子生徒が、部活動での不適切な指導を苦に自ら命を絶った、 いわゆる『指導死』の問題です。女子生徒の母親は12日午後、当時の剣道部の男性顧問2人との間で和解が成立したことを明らかにしました。

■女子生徒の母親
「和解をして顧問の2人に、二度と同じことを繰り返さないという約束取り付けたことは、彼女(娘)にとっても、喜んでくれることではないかなと思っています。」

この問題は2020年8月、博多高校の剣道部に所属していた1年の侑夏さん(当時15)が、男性顧問2人による不適切な指導を苦に自ら命を絶ったものです。

侑夏さんの母親は、事実関係を認めた博多高校とは去年すでに和解していた一方で、暴言や暴力的な指導を行っていたとされる男性顧問と、黙認していたとされる別の男性顧問に対しては、民事裁判も視野に謝罪と損害賠償を求めていました。

その後、2人の顧問も、侑夏さんが命を絶った原因は不適切な指導にあると認めて謝罪し、ことし6月までに和解が成立したということです。

■侑夏さんの母親
「謝罪をしていただくことで、世間的にも社会的にもはっきりと、2人が娘を追い詰めたということを示せた。(侑夏さんは)とても優しい子だったので、『自分と同じ思いをする子がいなくなるなら』と思っていると思う。」

当時の男性顧問2人は、侑夏さんの死後、博多高校を退職していて、そのうち1人は和解に際し、「今後、当事者として不適切な指導を根絶していくための役割を果たしたい」と話しているということです。

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