偉業達成の藤井聡太“八冠”に福岡でも祝福の声 『竜王』防衛戦会場は?勝負めし候補は?
10月11日夜、史上初めて将棋の八大タイトル独占を達成し、藤井聡太“八冠”が誕生しました。10月、そのタイトルの一つ『竜王』の防衛戦が行われる北九州市をはじめ、福岡県内各地からも祝福の声が上がっています。
11日夜、“八冠”と書かれた色紙を笑顔で掲げたのは、藤井聡太八冠です。
■藤井聡太八冠
「このような結果を出せるとは自分自身でも思っていませんでしたので、すごくうれしく思っています。」
11日に京都市で行われた王座戦第4局で、対局開始から12時間が経った午後9時ごろ、永瀬拓矢王座を138手目で投了に追い込み、勝利しました。
史上初めて、八大タイトル独占を達成した藤井八冠に、12日朝は、この人も顔をほころばせました。
■北九州市・武内市長
「このタイミングで八冠になられたということは大変うれしい。」
実は、10月25日から藤井八冠のタイトルの一つ『竜王』の防衛をかけた『竜王戦七番勝負第3局』が、北九州市で行われるのです。
会場となる戸畑区の旧安川邸では、着々と準備が進んでいました。
■川崎直人 記者
「畳のいい匂いがしますね。」
■旧安川邸・渡辺亨 館長
「はい、今回、全面畳替えしていますので。」
現在、対局に向けて、畳の張り替えの最中だといいます。
■川崎記者
「対局は、広さ15畳あるこちらの大座敷という場所で行われます。」
大座敷の畳は、対局の直前に貼り替える予定です。
■渡辺館長
「旧安川邸は歴史のある建物です。ここは自然豊かなところでもございますので、全てでおもてなしをしていきたいなと考えてます。思いきり自分の将棋をお互いにしていただき、正々堂々と名勝負をうっていただければと思います。」
一方、福岡県福津市では去年11月、宮地嶽神社で竜王戦第5局が行われ、多くの将棋ファンが訪れました。
その際、藤井八冠が『午前の勝負おやつ』として食べたものを見せてもらいました。
■津屋崎千軒なごみ・中村涼佳さん
「こちらです。」
■財津ひろみアナウンサー
「鯛もなかですね。ちゃんと分かりやすくポップが出ていますね。」
■中村さん
「去年、勝負おやつに選ばれた時、客から問い合せも多かったので、分かるようにポップをつけています。」
地元の菓子店『さゝ舟 和心味庵工房』の鯛もなかです。
■中村さん
「今朝からお電話での問い合せもありましたし、朝一番で買い物に来てくださった人もいらっしゃって、『八冠すごいですね』っていうお話をしたりしました。」
福津市では、10月11日から地元の菓子店が参加するスイーツフェアが始まったばかりです。藤井八冠の偉業が追い風となり、地元は盛り上がっていました。
フェアに参加するスイーツ店『パティスリーエトワール』では、藤井八冠が『午後の勝負おやつ』に選んだ『光の道 チョコムース』が販売されています。
■財津アナウンサー
「チョコで鳥居と夕日、金粉で光の道が表現されています、素敵ですね。チョコムースがふんわり、なめらかに溶けていきます。柑橘の、みかんの香りがします。今なら、なにかの勝負に勝てそうです。」
■パティスリーエトワール・松木聡子さん
「(八冠は)率直にすごいなと思いました。
■財津アナウンサー
「“光の道”スイーツを食べて、栄“光の道”をたどったわけですが、作った側としてはどう?」
■松木さん
「何かしら力になっていればいいなっていう感じですね。」
福岡市にはこんな人もいました。
■将棋愛好家・江藤寿展さん(68)
「こんにちは。」
将棋愛好家の江藤寿展さん(68)です。
■江藤さん
「数年前に大濠公園能楽堂で(当時の)木村王位に藤井さんが挑戦した時の道具一式をちょっと再現してみました。」
見せてもらったのは、樹齢400年以上のカヤの木でできた将棋盤です。
2020年に藤井八冠が王位戦に臨んだ際、将棋盤や駒などの道具一式は、江藤さんのコレクションから貸し出しました。
■永易友希 記者
「実際にこちらに藤井さんが座られていた?」
■江藤さん
「そうですね。どうぞ座ってください。」
■永易記者
「わー!すごい緊張感です。ふだん背中が丸みがちですが、背筋がスッと正される気持ちですね。」
対局で使われたツゲの木の駒が入る桐箱の裏には、『挑戦者 藤井聡太』という直筆サインがありました。
過去4回、藤井八冠の対局で道具を貸し出したという江藤さんは、今回の偉業について、次のように話していました。
■江藤さん
「やっぱり天才とかしか言いようがないし、天才と努力が重なって生まれた結果。」
前人未到の偉業を成し遂げても、謙虚な姿勢を貫く藤井八冠の姿に日本中が酔いしれています。
10月25日から藤井八冠が挑む北九州対局、勝負メシの候補にあがっているものを紹介します。
関門の地ダコや小倉牛などを使用した地元ゆかりの10のメニューが並びます。
中でも注目は『資さんうどん』の肉ごぼ天うどんや、『湖月堂』の特製カレーといった、北九州市民おなじみのメニューも候補に入っています。