【パリ五輪】福岡県の「タレント発掘事業」で世界の大舞台へ 今回は8人が代表に 今月の選考会には小4から中1まで80人が参加 可能性を育てる
こちらの8人は、パリオリンピックに出場する福岡県出身選手です。
フェンシングに自転車、陸上競技など競技はさまざまですが、全員、福岡県の「タレント発掘事業」から誕生した選手です。
福岡市博多区の総合スポーツ施設を訪れました。
■鬼丸ゆりか記者
「アクシオン福岡の入り口を入ってすぐのところには、福岡からパリオリンピックに出場する選手のパネルが展示されています。」
フェンシングの福島 史帆実(しほみ)選手に、陸上競技・やり投げの上田 百寧(ももね)選手。
パネルで紹介されている8人は、福岡県のアスリート育成プログラム「タレント発掘事業」で才能を見出され、今回、パリオリンピック出場の切符を手にしています。
7月24日、福岡県久留米市で今年度の「タレント発掘事業」の1次選考が行われました。
選考の対象となるのは小学4年生から中学1年生で、80人が参加し、反復横跳びや25メートル走などで基礎的な運動能力の測定をします。
■参加者
「入るまでは緊張していたが、やっている間は楽しくできた。全部平均より達していて良かった。」
「投げる力はそこまでないので、そこを強化したい。いろんな人の良いところが分かるのでいいと思う。」
「タレント発掘事業」は運動能力の高い子どもたちを見つけ、世界で活躍できるアスリートを育てようと、福岡県が2004年度から始めました。
■福岡県スポーツ振興センター・馬渡洸二さん
「子どもたちが持っている可能性を引き出せたらという思いで、タレントという名前がついている。得意・不得意もあり、投げる力が強い子、足の力が強い子、跳ぶ力が強い子、それぞれ得意な部分を引き出して、そこからいろんな種目につなげられたら。」
3次選考会まで合格すると、特別なプログラムを受講できるようになります。さまざまな競技に挑戦し、自分の可能性を生かせる競技を探します。これまで、473人が受講生となり、うち64人がオリンピックを含む国際大会に出場しています。
そのうちの1人、北九州市出身の垣田真穂 選手(19)は、パリオリンピック自転車競技「女子チームパシュート」の日本代表選手です。
チームパシュートとは、4人で先頭を交代しながら4キロを走る競技で、その平均時速は60キロにもなります。
小さな頃から運動神経抜群だった垣田選手は、小学2年生からサッカー部に所属。5年生のとき、「福岡県タレント発掘事業」の受講生に選ばれました。
自転車競技と出合ったのは中学1年生のときです。当時はサッカーと自転車、どちらを選ぶか決めかねていました。
■垣田真穂 選手(19)
「オリンピック出場の夢があったので、どちらの競技が近いかなと思ったときに、結果が出ているのが自転車競技だった。」
夢をかなえるために選んだ自転車競技。垣田選手は、初めて出場した大会でいきなり優勝し、中学3年生のときには日本一に輝きます。
高校は自転車競技の強豪、愛媛県の松山学院へ進学、全国大会で14回優勝し「高校最強女王」と呼ばれました。
そして今回、パリオリンピック出場を決めた垣田選手。地元の友人たちからもエールを送られました。
■垣田選手
「私の小さな頃からの夢がオリンピック出場でした。パリオリンピックでは自分の力を最大限に発揮して、メダル獲得目指して頑張ります。」
この「タレント発掘事業」からオリンピック選手が誕生していることに、子どもたちは刺激を受けています。
■選考会参加者
「誰だって初心者から始まるのに、オリンピックで世界で戦えるような人はすごい。(Q.オリンピックで注目しているのは?)バスケットボール!金メダルを目指して頑張ってください!」
福岡県の取り組みで、才能や可能性を発掘された子どもたちが、いよいよ開幕するパリオリンピックという世界の大舞台に挑戦します。