「モビリーデイズ」20日から利用開始 バス会社ごとの対応どうなる? 広島
20日から、広島電鉄グループ会社の一部で、新乗車券システム「モビリーデイズ」の使用が始まります。現在のパスピーが使用できるのは来年3月末までで、これに代わるものです。
その準備を取材しました。
広島電鉄グループのバス会社「備北交通」では、20日からのモビリーデイズのサービス開始に向けて、ポスターやシールを貼ったり、読み取り機のチェックをするなど準備をしていました。
■備北交通 企画課 松浦春奈さん
「モビリーデイズになると、スマートフォンで、チャージを自分でしたりできるようになるので、便利になるかと思います」
モビリーデイズはスマートフォンのアプリでQRコードを表示させ、端末にかざすと乗車できます。降りるときには再びQRコードをかざします。
残高の「チャージ」は、クレジットカードや銀行口座振替で決済し、スマートフォン以外にも、専用のICカードで利用できます。
■備北交通の利用客
「ICカードがどういう風になっていくのか不安がある。携帯がまだスマホではないので。今より便利になると思うんですけど、なんとなく」
■備北交通の利用者
「よくスマホを忘れるのでそれが心配」
【スタジオ】
20日モビリーデイズがスタートするのが、広島電鉄の一部路線とグループ会社の備北交通です。
9月7日からは広島電鉄の全線やバスなどで利用できます。
モビリーデイズでも、パスピーで実施されている最大10%割引は継続されます。
今のパスピーも3月29日まで利用できます。
また、あすからダウンロード開始予定だったiphoneのアプリは延期となりました。
一方、広島バス、広島交通中国ジェイアールバスは来年3月30日からイコカによるサービスを始めます。定期券などもイコカで発行されます。
対応が異なる理由として、専門家はコスト面を指摘します。
【VTR】
■公共交通に詳しい 広島修道大学 商学部 橘洋介教授
「広電はバスの台数が突出して多いということがあって、ほかの事業者と若干状況が異なるのが今回2つに分かれた大きな原因かと思います。モビリーデイズは基本的にはQRコードなので、読み取ってサーバーに送ってという処理なので、端末自体は安価です。」
【スタジオ】
橘教授によると、パスピーやイコカは読み取り機1台1台にコンピューターがついているようなもので、非常に高価だそうです。広島電鉄はバスの台数が一番多いうえに路面電車もあります。更新費用を考えて、安価なQRコードを選択したのではということでした。
しかし、違うバス会社に乗り換えたりするときに2つを使い分けなければいけないのか気になりますが、広島市は今年、経営が厳しいバス会社を支援しようと、県内8つのバス会社が共同で路線バスを運営する、「広島モデル」を作ることを目指して組織を立ち上げました。
共同で運営するのに、乗車券システムはバラバラでは都合悪いです。
そこで今年度中に、広島市はおよそ6億9000万円を補助して、バス事業者がモビリーデイズを読み取れる機械の設置を始めるということです。
一方で、広島電鉄もイコカを読み取れるようにすると発表しました。しかし、定期券機能などはモビリーデイズでなければだめです。
結局、定期機能などの差はあれ各社が両方を使えるように、機械を設置することになります。
モビリーデイズもイコカも、一長一短があります。
モビリーデイズは細かいサービスがしやすい長所があります。例えば、特定の日だけを割り引くなどの設定を柔軟にできます。
短所は、今のところ広島エリア以外では使えないことです。
イコカは長所は、全国いろんなところで使え、買い物でも利用できるです。
短所は、JRのシステムなのでバス会社側のために柔軟に対応しにくいことです。
結果として2つのシステムを使えるようになることで、それぞれのよいところを理解して使い分けたいですね。
【2024年7月19日放送】