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7社に許可 広島でまもなく開始する「ライドシェア」を解説

2024年5月24日 20:00
7社に許可 広島でまもなく開始する「ライドシェア」を解説

広島で「ライドシェア」がいよいよ始まります。ライドシェアは客がスマートフォンのアプリで車を呼びます。配車の依頼があると一般ドライバーは自分の車を使って客のもとへ行き、客を運びます。支払いもアプリで決済します。

これまではマイカーに客を乗せてお金をもらうことはいわゆる「白タク行為」とされていましたが、ドライバーをタクシー会社が管理することで、国土交通省は広島や札幌や仙台など8つの区域で5月から事業を開始すると明らかにしていました。そして、24日タクシー事業者に許可を出しました。

中国地方で初めて、国からライドシェアの許可を受けたのは広島県内のタクシー事業者7社です。

■中国運輸局 高山正浩 自動車交通部長
「コロナ禍を経て、タクシードライバーが減っていて、車両があるものの、稼働ができずに町中を走る車両数が減っている。輸送の安全と安心を確保しながら地域交通の担い手不足や移動の足不足の解消につながれば」

広島ではどのくらいの数の車両がライドシェアとして稼働するのでしょうか?

国土交通省が不足する時間帯と、台数を割り出してそれに応じてライドシェアで稼働できる台数が決まります。

広島市を中心とする「広島交通圏」の場合、24日時点で許可が出たは次のとおり。月曜日から木曜日の午後4時から7時台までが15台。金曜日と土曜日の午後4時から翌日午前3時台までが33台。日曜日の午後4時台から8時台までが9台となっています。これからさらに不足数に達するまで許可が出る予定です。

現在は7社の許可が下りており、この他に20社が申請中か検討している状況です。時間帯や台数は、3か月ごとにアプリの稼働率などのデータを元に見直していくということですが、そのアプリの体験会が23日開かれました。

広島市で開かれたタクシー事業者とアプリ会社によるライドシェアの体験会です。利用者はアプリで目的地を入力し、ライドシェアを選択すると運賃が決定した後、配車を依頼します。すると、近くにいるドライバーに連絡が入り、迎えにきます。決済はキャッシュレスのみの対応です。

■DiDi 営業本部 花田裕二 シニアマネージャー
「客とドライバーで相互で評価する仕組みを搭載しています。どのようなドライバーが来るのかがわかるので、お互いに安心して乗れるようにしている」

このように、運用時間になると、ライドシェアとタクシーのどちらかでの配車か、タクシーのみの配車かを選択できるようになります。メリットとしては、タクシーを呼んでからの時間が短縮できるという点です。アプリによっては、相互評価の他、機能として乗車中にトラブルが起きた場合に通報できるシステムを備えているものもあります。

やはり運転手が一般の人ということと、どんな車なのかという不安はありますよね。

タクシー会社側も利用者が安心できるよう、ドライバーの対策をしています。

■広島第一交通 本社営業所 福坂康司 所長
「今回のライドシェアを通じて、運転が好きな人やライドシェアに関わらずタクシーも合わせてしっかりとした研修に取り組みたい」

この研修ですが、今回取材したタクシー会社では、採用したドライバーにマナーや安全講習など10時間の研修を実施します。採用は、配車アプリやホームページなどで開始していますが、タクシー運転手の経験者やOBなども想定しているとのことです。また、このタクシー会社では、申し込んだ人が使用していないタクシーか、自家用車かを選択することができます。

車を持っていない人でもドライバーに申し込みできる場合もあるんですね。

第一交通によると、アプリのリリースやドライバーの採用・研修状況によってですが、早ければアプリがライドシェアに対応する6月の1週目に正式に運用開始するとしています。
《2024年5月24日放送》