広島からパリ五輪を目指す! 女子100mH福部真子選手 強さのヒミツは"地元"にアリ!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが『パリへの道』と題して、パリ五輪出場を目指す、地元・広島出身の女子ハードラーをプレゼンします。
国内のトップアスリートが広島に集まってしのぎを削る、織田幹雄記念国際陸上競技大会が2024年4月29日に開催され、広島ゆかりの選手たちも出場します。男子100m日本記録保持者の山縣亮太選手、男子110mHアジア王者の髙山峻野選手、女子100mH日本記録保持者の福部真子選手です。
今回は安芸郡府中町出身、女子100mH日本記録保持者の福部真子選手をプレゼンします。2023年は世界選手権の代表切符を逃しましたが、夏に1か月間、海外のレースに出場するなど、五輪出場へレベルアップを図ってきました。
■女子100mH 福部真子選手
ブダペスト(世界選手権)にいけなかったから、去年7月のヨーロッパに1か月行く選択を取れたっていうところも、オリンピックに全部つながっていると思うので。すべての経験をまるっと自分の中にいれて、どん!と発揮できるように頑張ります。
自己ベストの12秒73は堂々の日本記録。福部真子選手の強さのヒミツに迫ります。
涙の日本選手権
2023年の日本選手権では、3位以内が世界選手権に出場ができるレースで、期待されながらもあと1歩及ばず4位でした。笑顔で答えてくれたインタビューで「世界選手権に行けなかったから、ヨーロッパで自分のトレーニングができた」と、振り返ってくれていましたが、レース終了直後は、頭の中が真っ白になったといいます。復活した大きな要因は、周りの人の支えでした。家族の存在、普段広島を拠点に練習をしている福部選手の行きつけのお好み焼き店や友人の存在が、前を向くきっかけの1つになったたと話します。自身の悔しさ以上に、楽しみにしてくれた人たちに対して、楽しみをなくしてしまったんじゃないかという思いもあったそうです。実際に応援している人たちは、全くそんな気持ちはなく、むしろ自分以上に悲しんでくれたことが、福部選手にとって、一緒に戦っている気持ちになったと言います。
さらに「周りの支え」として、オフに地元の小学校での講演会や、陸上教室を積極的に行うことで、学校関係者から応援の言葉が書かれた日の丸や、小学生から温かい言葉をもらい、応援の輪が広島の中でどんどん広がっていると感じたそうです。
シン・マコ計画
今シーズンのテーマは「アベレージを上げる」ということです。世界のトップ アスリートも、12秒前半で走っている選手も、普段は12秒後半でのレースも多く、いろんな条件が揃った時に、12秒前半という好記録が出るそうです。福部選手自身も、レースのアベレージを上げていくために、様々なトレーニングに励んできました。その中で大きな役割を担ってきたのが、尾﨑雄祐コーチの存在です。
広島大学の研究員でもある尾﨑雄祐コーチは、練習中に撮影した「走り」を見ながらその都度、福部選手と意見を出し合います。
■広島大学 尾﨑雄祐コーチ
昨シーズンの経験を経て、過去と比較せずに、しっかり前に前に進化していくようなモチベーションのサポートの仕方を、重視してやってきています。
尾﨑コーチは、大学で陸上競技を科学的に分析し、パフォーマンス向上につなげる研究をしています。例えば、福部選手がハードルを飛んだ後に着地する位置に着目しました。よりハードルに近い位置に着地することによって、次のハードルに行くまでの走りに余裕を持たせることができるそうです。このように、たくさんの映像を分析し、福部選手のトレーニングに反映させています。福部選手も、やみくもにひとりで練習を組み立てるよりも、福部選手もこのやり方でかなり今やるべきことがクリアになったと話しています。
地元広島の支えと技術的な支えも加わり、オリンピックイヤーに挑む福部選手の目標は、4年前から変わらず「パリオリンピックの決勝に出場すること」です。持っている力をどんと発揮した姿を、広島から期待したいと思います。
《2024年4月23日 広島テレビ「テレビ派」で放送》