カープ・矢野雅哉選手が初のゴールデン・グラブ賞! 魅せる守備を支えるこだわりをひも解く!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。小野宏樹アナウンサーが、先日ゴールデン・グラブ賞を初受賞したカープの矢野雅哉選手についてプレゼンします。
先日、プロ野球守備の名手に送られる『ゴールデン・グラブ賞』が発表され、ショートでカープの矢野雅哉選手が初めて受賞しました。
セ・リーグの受賞を見ると、カープの秋山翔吾選手を始め、名だたる選手が受賞しています。『ゴールデン・グラブ賞』は、プロ野球担当の記者による投票で決まり、1972年から表彰が始まりました。
かつては「ダイヤモンドグラブ賞」で表彰されており、カープでも歴代多くの選手が受賞しました。カープのポジション別の最多受賞者を見ると、山本浩二さんと菊池涼介選手が、セ・リーグタイ記録の10年連続受賞しました。
矢野選手は、兵庫県の育英高校から亜細亜大学へ進学し、キャプテンを務めました。2024年が4年目のシーズンで、打撃成績も2023年から大きく向上しました。持ち味の守備力を武器に、ショートのポジションをつかんだ今シーズンです。規格外の守備を魅せる矢野選手ですが、ある存在が守備を支えていました。
それが「グラブ」です。広島テレビでは2024年5月に、矢野選手にグラブの秘密を聞いてきました。
■カープ 矢野雅哉選手
「まず、革もこだわりがありますし、動かしたときに鳴く革ってあるんですよ。「革が鳴く」といって「ギーギーギーギー」っていう。しまりが良くて、それが自分に合わなくて。だから「鳴かない革」で作ってもらっている。」
こだわりはグラブの型にもあり、捕球と操作を行うための重要な箇所があるそうです。
■カープ 矢野雅哉選手
「小指と中指のところ(ひも)を締めて、ここ(人差し指の間)はちょっと広げています。(ひもの間隔が)全部一緒だったら、全部付いてきてしまう。それが嫌なので。ここ(人差し指)はあまり動かしたくなくて。ここ(人差し指)は、グラブトスでもなんでも操作ができるので。ここ(人差し指)を動かさずに捕る。ボールが入ったら、閉じてくれるグローブをベストに考えていて。」
今シーズン使用したグラブを見ると、人差し指と中指の間のひもを他より長くすることで、操作性に余裕を生み出し、度肝を抜く好プレーにつなげていました。
さらに、手入れにもこだわりがあります。
■カープ 矢野雅哉選手
「ここ(人差し指と中指の間)のひもは常に磨いていますね。ここだけ緩くしているので。すぐに伸びてしまったり、はげてしまったりするので。ここが切れたら全部台無しになるので。ここは基本線としてあとは普通に。」
さらに「探求心」と「必死さ」の2つのキーワードを見ていきます。最初に「探求心」について、 カープの三好匠内野守備・走塁コーチは「彼の強みは、うまくなろうという姿勢が選手の中でも際立って 見えるところ。「あのプレイはこうした方がいいですか?」と、日々聞いてくるので、もっとうまくなりたいという探求心をすごく感じる。」と、話していました。
続いて、守備のこだわりについて矢野選手は、「必死に投げているピッチャーに対して、野手は必死に1球1球追いかけて応えないといけない。気の抜いたプレーをして、ピッチャーの気持ちを揺さぶることだけは、絶対にしたくない」と、話しています。育英高校時代に、安田聖寛監督から言われ続けた「必死に守るんだ」という言葉を、今も大事にしているそうです。
矢野選手は、来シーズンに向けて「まだ自分はレギュラーではないので、毎日、毎試合、絶対ショートの座を渡さない気持ちで取り組みたい」と、話していました。矢野選手が来シーズン以降、どんな守備で沸かせてくれるのか、期待したいです。