平和記念式典の招待国を巡り批判の声 広島市
広島市の平和公園では2024年5月15日、「原爆死没者名簿」の風通しが行われました。平和記念式典への準備が進む中、招待国をめぐる広島市の方針に批判の声が上がっています。原爆が投下された午前8時15分。作業を行う職員らが黙とうを捧げました。慰霊碑の中には現在、33万9227人分の原爆死没者名簿、125冊が納められており、年に1度、市の職員が湿気を取り除き保存状態を確認します。
■広島市 原爆被害対策部調査課 上本慎治 課長
「原爆死亡者の慰霊を改めてここで感じてもらい8月6日を迎えていただきたい」
一方、2024年の平和記念式典の招待国をめぐり広島市の方針に、批判の声があがっています。市はウクライナへの侵攻を続けるロシアと、同盟関係にあるベラルーシを3年連続で招待しませんが、ガザ地区への攻撃を続けるイスラエルは招待する方針です。これに対し、広島の市民団体が5月15日、広島市役所を訪れ「イスラエルを招待しないよう」求めました。
■広島パレスチナともしび連帯共同体 湯浅正恵さん
「ロシアを招待せず、イスラエルを招待する現在の判断はダブルスタンダードであり、イスラエルによるジェノサイドを容認するというメッセージを世界に送ることになるでしょうと(訴えた)」
広島市によると、「イスラエルは招待するな」という声や、「イスラエルを呼ぶならロシアも呼ぶべき」といった抗議のメールが、1000件以上届いているということです。松井市長はイスラエルについて、「他の国と同じように招待するという基本を貫きたい」としつつ、ロシアを招かない理由としては「式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性がある」と説明し、「ダブルスタンダードではない」と主張しています。
【2024年5月15日 放送】