この時期、転勤や進学で引越しを予定している方もいるのではないでしょうか？
ただ、引越し業者にはすでに多くの予約が入っており、国などは引越しの分散を呼びかけています。

今月５日、広島市佐伯区では朝から引越し作業が始まりました。

★長島清隆リポート
「次々と段ボールが運ばれてきます。きょうはこれから東広島市へ引越しが行われるということです。」

この日は夫婦と子ども1人、あわせて3人家族の引越しでした。トラック2台に4人の作業員が次々と荷物を積み込みます。

Qこの時期の依頼は多いですか？
■広島陸送　今田誉莉揮さん
「そうですね。今からめちゃ増えてきます」

ドライバーの時間外労働時間を制限する、いわゆる「物流の2024年問題」が始まって最初の引越しシーズン。
業者も手探りで対応しています。

■広島陸送 大本敏幸さん
「例年とは違う。時間外や残業も、どの物流業界も制限されている中で、うちの人間とかは県外に出ずに、傭車（別の業者の車両）に頼んだりする。」

3月下旬から4月は引越しが混雑するため、国やトラック協会は時期の分散を呼びかけています。
しかし、引越しの依頼日は集中しているのが実情です。

■広島県トラック協会　引越専門部会 吉清貴一 部会長
「特に法人の転勤は4月頭までに絶対に移動したいとか、学生は入学式までに引越しをしないといけないということで、3月、年度末に集中する傾向が非常に強い」

こちらは国やトラック協会が示した、引越し混雑予想カレンダーです。

８日から混雑し始め、15日から4月6日までは特に混雑すると予想しています。

そして、2024年問題への対応として、今回取材をした広島陸送では長距離の引越しの場合、このようなやり方をするそうです。

例えば広島から東京に引っ越すとします。
トラックに荷物を積んでJRの貨物に載せ替えます。

そして東京まで貨物として運んでもらい、東京に貨物列車が到着すると、再び別の事業者のトラックに乗せ替えて、その業者に運んでもらいます。

このやり方だと中2日、中3日は見てほしいということでした。
JR貨物、それから別のトラック業者などとのスケジュール調整も大変だそうです。

またこの時期は、人材派遣やアルバイトなどで人を集めなければならないので割高になります。
物価高も影響しています。

■広島県トラック協会　引越専門部会 吉清貴一部会長
「まず燃料単価が上がっていますよね。トラックの車両の単価が一昔前に比べるとかなり上がっています。引越しに関して言えば段ボールや資材の単価も当然上がっていますので、このあたりを回収させていただくために引越し代金は値上げをさせてい ただいているのが現状。」

中にはこの時期に法外な値段を請求する業者もあると言います。
全日本トラック協会が認定する「引越安心マーク」のある業者は、見積書をきちんと提示したり、苦情対応窓口を設置するなどしています。
業者選びの参考にしてください。
【２０２５年３月７日放送】