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野球解説者・野村謙二郎さんが、広島カープ・藤井彰人ヘッドコーチに迫る! 前半戦の収穫と後半戦を勝ち抜くカギとは!?

2024年7月16日 20:00
野球解説者・野村謙二郎さんが、広島カープ・藤井彰人ヘッドコーチに迫る! 前半戦の収穫と後半戦を勝ち抜くカギとは!?

ペナントレースを折り返し、熾烈な上位争いを繰り広げる新井カープ。広島テレビの野球解説者・野村謙二郎さんが、参謀役として指揮官を支える藤井彰人ヘッドコーチに、上位争いを演じる前半戦の収穫、さらに、混戦のセ・リーグを勝ち抜くカギを探ります。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「投高打低っていう中で、カープが良い順位につけてるのは、なんといっても投手陣。藤井ヘッドから見て、投手陣の手ごたえはどう?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「想定外と言いますか、ここまで。特にあの3本柱。」

ここまで、リーグトップのチーム防御率をマークするカープ投手陣。中でも、6月にノーヒットノーランを達成した大瀬良は、10試合連続クオリティスタートを達成中。さらに、チームトップの8勝を挙げる床田、投打での活躍が目立つ森下もともに防御率1点台と、先発3本柱の安定感が際立っています。

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「(九里)亜蓮もいれて、4人がしっかりしていると思うんですけど、すごい防御率で。想像以上にやってくれていると思います。」

プロ10年目の昨シーズン、自己ワーストの11敗を喫した大瀬良。野村さんが注目するのは、右腕の復活を支えるベテランキャッチャーです。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「注目するのは、會澤。」

今シーズン、3人態勢での起用が続くキャッチャー陣の中で、最年長36歳の會澤。開幕から大瀬良とバッテリーを組み、リーグトップの防御率0点台の快投を支えています。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「特に(大瀬良)大地に関しては、完全に復活させたなっていう。そのへんはどういうふうに?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「去年は右バッターだったら外。8割、9割が外だったんですね。それを『インサイドに投げてみないか』って、去年からもそうだったんですけど、ちょっと(内角の)割合を増やして、それに答えてくれた。アツ(會澤)が積極的に要求してくれている、大地がそれに答えて投げているので、バッターがちょっと選択が、インコースもある、アウトサイドもあるっていうような感じで、抑えているように見える。」

一方の攻撃面。チーム打率はリーグ5位と大量得点を望めない中、こだわるのが先制点です。カープは今シーズン、先制した試合で30勝10敗。リーグトップの勝率を誇っています。野村さんが注目したのは、采配の「ある変化」です。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「前半戦は作戦面で『バントはしない』ということでスタートしたじゃないですか。でも、どこのチームも先取点にこだわってきてるじゃないですか、カープも。初回のほうでスクイズがあったりとか。」

それは、5月17日の巨人戦。初回、1アウト3塁、3番菊池の3球目でした。新井監督の就任以来、初めて仕掛けた初回スクイズ。成功とはなりませんでしたが、続く4番小園の先制タイムリーが決勝点となりました。2023年はシーズンで6回しかなかった初回のバント。2024年は、すでにそれを上回る8回を数えています。

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「なかなかホームランが出ないんで3点とか大量得点、4点、5点。なかなか一気には難しいと思うんで、1点を積み重ねるといいますか、先頭が出塁して、なんとか足からめてとか、徐々に徐々にボディーブローのように点を取っていかないと、なかなか優位に進んでいかないことが多いので。」

■野球解説者 野村謙二郎さん
「そういう先制、中押し、ダメ押しっていう感じなんで。そういった意味では、これから後半戦にかけて、先取点の意味合いって大きくなってくると思います?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「かなり大きいと思います。」

勝負の後半戦を勝ち抜く「カギ」を、藤井コーチに聞きました。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「今とてもいいポジションにいて混戦なんだけど、ここからの戦いで、どこのチームをマークするとか、どういうふうに考えてます?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「順位もそうですけど、どこも似たり寄ったりと言いますか、飛び抜けたところがずっと前半戦ないなか、中日には大きく負け越しているんでね。」

今シーズン、カープが大きく負け越しているのが中日。ここまで6試合で完封負け、10試合で1点以内に抑えられています。

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「バンテリンドーム、嫌いですね。」

■野球解説者 野村謙二郎さん
「やっぱ、みんなそういうふうに思ってるんだ。」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「個人的にかは、わかんないですけど、なんとか(やり返してやろう)っていうのもすごいあります。」

優勝した阪神に11.5ゲーム差をつけられ、2位に終わった昨シーズン。最大9ゲーム差を跳ね返し、一時は首位に立つも、直後の3連戦で1勝もできず、そこから突き放されました。そんな阪神と互角の戦いを繰り広げる2024年、野村さんが前半戦のポイントに挙げる試合があります。

■野球解説者 野村謙二郎さん
「作戦面でね、僕どうしても個人的に聞いてみたかったのが、この間の阪神戦。3戦目ですよ。あの試合はね、めちゃくちゃ面白かった。」

打順を組み替えた7月4日の阪神戦。先発・村上を相手に、初回から動きます。先頭の秋山が初球ヒットで出塁すると、2番の矢野が初球にヒットエンドランを仕掛けると、送球がそれる間に秋山は3塁を陥れます。すると、矢野がライト前へ抜けるタイムリー。1、2番で先制点を奪いました。

■野球解説者 野村謙二郎さん 
「初球のエンドランはアイデアとしてはありますよ。でもそのあとも、初球のエンドランとか。岡田監督とは話はしてないんだけど「めちゃくちゃしよるな」って思ったと思うんですよ。あれはどうだったんですか?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「試合前に監督からそういう話があって。めちゃくちゃというか、めちゃくちゃやろうって。」

■野球解説者 野村謙二郎さん 
「それは選手にはしてたんですか?藤井ヘッドと話をしてたんですか?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「あるかもしらんよ、とは言っていた。野手のミーティングの中で。サインしっかり見といてくれよって。」

■野球解説者 野村謙二郎さん 
「でも最後のほうは選手は「来るな、来るな」という感じだったと思うんですよ、あの感じはね。「きょうはやりよるわ」みたいな感じで。」

この日、盗塁を4度成功させるなど、足でかき回したカープ。超機動力で勝利の扉をこじ開けました。あの試合、選手はどう感じていたのか。2番バッターとして2度のヒットエンドランに絡んだ矢野は…

■広島カープ 矢野雅哉選手
「2番だったらなんでもあると思っているんで、準備はできてたんで。常に攻める姿勢でこっち側はいるので、どんなサインを出されても良いなっていう思いで、プレーしている。」

勝負の後半戦へ、藤井ヘッドコーチが挙げるキーマンとは?

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ 
「もちろん、みんなそうなんですけど。坂倉選手。」

昨シーズンまで3年連続で2桁ホームランを放ち、2024年も攻守にわたる活躍が期待された坂倉。しかし、シーズン序盤から打撃の調子が上がらない日々を過ごしてきました。

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ 
「ファーストをやらせたり、こちら側としては申し訳ないなと思うんですけど。でも彼の打撃、もちろん買っていますし、(1本)出てほしいなって。」

6月には、志願して2軍戦の打席にも立った坂倉。試行錯誤を繰り返す姿を、藤井ヘッドコーチは間近で見てきました。

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ
「このままで終わるか、っていう気持ちは持ってると思いますし。去年も悔しい思いもしましたし、内に秘めているものもあると思います。」

■広島カープ 坂倉将吾選手    
「今、チームも良い位置にいますし、チームの一員としてどうにか力になれるように、とにかく勝つために自分ができることを積み重ねていきたい。」

日に日に順位が入れ替わる大混戦のセ・リーグ。6年ぶりのリーグ制覇へ、新井カープが勝ち抜くための戦略とは?

■野球解説者 野村謙二郎さん 
「秘策みたいなことはあるんですか?」

■広島カープ 藤井彰人ヘッドコーチ 
「秘策ですか?いや、特別なことをやろうとは思ってないですし、今まで通り、カープはいろんな選手、特徴のある選手がいるんで、いろんな(戦略の)発想をね、監督とコーチ陣と意見を出しあって、それをやる。それでやられたら仕方ないですし、それで勝ったときのうれしさっていうのは、たまらないものがあるので。」

【元気丸 2024年7月14日放送】