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新ごみ処理施設に導入予定の「好気性発酵乾燥方式」とは? そのメリットとデメリットは【徳島】

2024年6月4日 20:00
新ごみ処理施設に導入予定の「好気性発酵乾燥方式」とは? そのメリットとデメリットは【徳島】

私たちが生活をする上で避けては通れないのがごみ処理問題。

この処理施設を巡っては、老朽化を背景に徳島県内の各自治体で新施設の建設が課題となっています。

そういった中で、阿波市などでつくる中央広域環境施設組合と小松島市は、新たなごみ処理施設にゴミを燃やさず固形燃料に変える「好気性発酵乾燥方式」を導入する方針です。


「好気性発酵乾燥方式」とは


耳慣れない名前ですが、徳島県内2つの新ごみ処理施設で導入が検討されている「好気性発酵乾燥方式」とは、一体どんな方式なのでしょうか、ご紹介します。

一言で言ってしまうと、この方式はごみを燃やさずに処理する新しいシステムなんです。

「好気性発酵乾燥方式」ですが、まず、処理できるのが家庭などから集められた生ごみ、紙、プラスチックです。

これを破砕機にかけて細かく砕き、発酵させるための微生物が付着した発酵物などを混ぜます。

混ぜたものを、「バイオトンネル」と言われる発酵槽で17日間寝かせます。

この過程で、発酵と乾燥処理を行います。

この過程を経ることにより、乾燥した紙やプラスチックと、分解された生ごみとに分けられます。

こうして乾燥した紙やプラスチックは「固形燃料」に、分解された生ごみは「発酵物」として再利用されます。

これが、ごみを燃やさずに燃料に生まれ変わらせるサイクルです。

この方式を日本で初めて導入した施設が、徳島の隣・香川県の三豊市にあります、こちらのごみ処理施設を取材しました。


香川県三豊市の「バイオマス資源化センターみとよ」


人口約5万8000人、香川県西部に位置する三豊市では、2017年にごみ処理を民間会社に委託しました。

ここ「バイオマス資源化センターみとよ」には、生ごみや紙、プラスチックなど、1日平均30トンのごみが運ばれてきます。

そのごみに微生物を含んだ発酵補助材を混ぜ、それをバイオトンネルと呼ばれる発酵槽で寝かせ、微生物による分解を行います。

温度や空気量を管理することで、微生物の発酵作用がもっとも高い環境を作っています。

17日間かけて発酵、乾燥をさせ、紙とプラスチックを取り出します。

ここから、さらに120℃程度の熱を加えて圧縮すれば、固形燃料の完成です。

三豊市では年間1万トンのごみを処理し、5000トンの固形燃料に変えています。

画期的なシステムです。

燃やさないからCO2を出さないし、循環型のシステムで無駄がありません。

ところが、三豊市では2017年にこの方式を導入したものの、これまでほかの自治体でこの方式を導入したところはないということなんです。

一体なぜなのか。



なぜほかの自治体で導入されないのか? その「メリット」と「デメリット」とは?


実際に施設を見学したことのある、都市環境工学が専門の徳島大学小川宏樹教授に話を聞きました。

(徳島大学理工学部 小川宏樹教授)
「メリットとしましては、一つはトータルで二酸化炭素の排出量の削減につながること。廃プラスチックから作った新たな固形燃料、そちらに代替することで、トータルの削減につながるというメリットがあります」

また小川教授は、コスト的にもメリットがあるといいます。

(徳島大学理工学部 小川宏樹教授)
「燃焼型の(ごみ処理)施設ですと様々な設備が必要ですが、『好気性発酵乾燥方式』は、いわゆる大きな貯蔵庫を作って発酵させるということで、いわゆる大きな広い場所や建て屋があってそこに保管しておくという、非常に施設的にも簡素な施設でできるので、建設費なんかも非常にコストとしては安く上がる方式かと思います」

一方、デメリットについては。

(徳島大学理工学部 小川宏樹教授)
「作った固形燃料、それをどこで使うかというところに問題があるかと思います。三豊市の場合ですと製紙会社なんかと協力して、作った固形燃料の使用先というのは決まっている段階で運用されているんですけども。新たな施設を作る場合には、作った固形燃料をどこに売却していくか、さらに固形燃料の部分としても熱量であったり中に入っている物質なんかがありますので、燃料として受け入れる企業のニーズに合わせて固形燃料を制作していくというその過程で、一つ工夫というか難しい点があるというのがデメリットかと思います」



できた固形燃料は、補助金の関係から無料で処分というわけにはいかず、有償での売却先を確保しなければいけないということなんです。

固形燃料は、石炭と比べると熱効率が悪いということで、それを受け入れてくれる企業なりがみつかるかどうか。

課題は多そうですが、持続可能な未来のためにも、社会全体での取り組みが必要ですね。

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