400年前の石工の工夫 熊本城・備前堀の石垣を支える"根石"の様子を初公開
熊本城天守閣の南西に位置する備前堀。現在は、石垣復旧に向けた調査のため、水が抜かれています。
■畑中香保里キャスター
「私は今、備前堀の普段は水の中にある石垣の根もとの部分に来ています。今回の調査では底をさらに掘りまして、石垣の一番下を支えている”根石”がどう据えられているか調査が行われたということなんです」
1606年から7年に加藤清正が築いた石垣を地中で支えてきた根石。熊本城で確認されたのは、昨年度、宇土櫓の堀を掘削したとき以来、2度目です。根石を置くために地盤を切り下げる“根切り”の跡も確認できます。
■熊本城調査研究センター 佐伯孝央さん
「どのように石垣を築いたか過程を知ることができたのが一つ大きな成果ですね」
根石の据え方も、地盤に直接据える方法と、栗石と呼ばれる小さい石を敷いた後に据える方法の2つがあることがわかりました。
■熊本城調査研究センター 網田龍生所長
「隙間が多い所に多く石を入れているということでしょうから、400年前の石工さんたちの工夫だと思います」
調査の結果は石垣修復のための資料として設計に生かす方針です。
■熊本城調査研究センター 網田龍生所長
「復旧事業が熊本城の解明や将来への記録につながっていくことを期待したい」
備前堀の石垣の復旧は、2028年度に終了する予定です。
2月10日に肥前堀の掘削調査の現場が初めて一般公開されます。事前の申し込みは不要で入場は無料です。詳しくは熊本市のホームページをご覧ください。