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夢に挑む子どもたち プロとつくり上げるステージ 題材は地域の歴史や文化

2023年11月17日 13:48
夢に挑む子どもたち プロとつくり上げるステージ 題材は地域の歴史や文化

国内外で活躍する熊本ゆかりのアーティストが一堂に集まり、県内3カ所で公演を行います。公演では、地域ごとに住民と一緒につくるオリジナルの作品も。夢の舞台に挑む子どもたちを追いました。

今年9月に行われた、舞台の制作発表。

■総合プロデューサー 葉山悠介さん
「ストーリーがすごくしっかりあって、映画を1本見たかのような、日本の良さを感じてもらえる作品になっていると思う」

タイトルは「つながるわとわ」。(by SUPERONLY)

県内3市町の公共ホールと熊本ゆかりのアーティストが連携して舞台をつくる初めての試みです。総合プロデューサーは益城町出身のダンサー、葉山悠介さん(29)。企画と振り付けをしながら自らも出演します。ダンスと和楽器で表現する舞台。国の内外で活躍する熊本ゆかりのダンサーや演奏者16人でつくり上げます。

10月。宇土市民会館で行われていたのは出演者のオーディション。

■総合プロデューサー 葉山悠介さん
「地域の物語をやることによって、 自分の地域に愛着を持ってもらったり、そこからそれが自信になるというか、自分の夢や目標に向かうことの原動力になるような機会になるといいなと思って」

舞台には、子どもたちや地域の住民がダンスで共演します。この日のオーディションには小・中学生11人が集まりました。

■参加した子ども(誕生日:11月20日)
「応募したきっかけは、和太鼓とダンスってあんまり共演するみたいなコラボしてるのを見たことがないので、とてもワクワクしたからです」
■参加した子ども
「最近はまっているものは、カイホウエクササイズです」
Qカイホウエクササイズ?
「カイ、ホウ、カイ、ホウ(笑)」

プロとの共演に憧れ自分を思い思いに表現する子どもたち。結果は…。

■宇土市民会館ホールマネージャー 高田大介さん
「全員合格ということでおめでとうございます!」

意欲溢れる姿に、予定よりも多い11人全員が合格となりました。

舞台の題材は小泉八雲の紀行文

さっそく練習が始まります。配られたのは、色とりどりの布。

■ 総合プロデューサー 葉山悠介さん
「回って、しゃがむ時がこういう感じ。という感じでやってみたいと思います」

開催地にまつわる歴史や文化、偉人も題材にする今回の舞台。宇土公演は、小泉八雲の紀行文「夏の日の夢」を選びました。浦島太郎伝説と、宇土の景色や雨乞い大太鼓が交錯する物語です。葉山さんが八雲を、子どもたちは布を使って海の妖怪や波を演じます。

■参加した子どもたち
「きつい」「腕がきつい」

布の流れをイメージし、緩急をつけた動きが求められますが…。

■参加した子ども
「思うようにいかないから少し難しかったです」
■総合プロデューサー 葉山悠介さん
「ポイントは、ちゃんと開くこと。こうなっていると、細いでしょ。こうやったら大きいでしょ」

踊りに合わせ太鼓をたたくのは、雨乞い大太鼓の保存継承も努める宇土市民会館ホールマネージャーの高田大介さん(35)です。

■高田大介さん
「プロの表現者も含めて、かなり多くの人が関わっている。形ではすぐ見えないかもしれないんですけど、子どもたちの心の中に種をまけるというか、そんな時間になってほしい」

最年長の中学2年、菊池いろはさん(13)。

■菊池いろはさん
「いろいろ移動するシーンが多くて、それを覚えるのがちょっと難しいかなって思います」

普段の生活は…。

「ピーちゃんかわいいね、ピーちゃん緊張してる」

ペットのセキセイインコや犬と遊ぶいろはさん。動物が大好きで、マイペース。しかし…。

6年前から習っているダンスでは、軽やかな身のこなし。和楽器に合わせて踊ってみたいと今回応募しました。

演じるのは「海の妖怪」。力強くも怪しく、軽妙なしぐさを全身で表現します。

■菊池いろはさん
「他の角度から顔を出している人が前にいるから、頭がたくさんある妖怪みたいなのをしているのかなと思っています。宇土市には御輿来海岸があってすごくきれいで、その情景と重ね合わせて台本を読んでました」

想像を膨らませ、自分の物語へ。

■母 菊池佳恵さん
「創作ダンスみたいな感じで、みんなで作り上げていくっていう感じが強いと思うので、そういうところが楽しそうだなと思います」

子どもたちと話し合いダイナミックな演出も加える

オーディションから3週間。練習を重ねる子どもたち。布がふわりと宙を舞っていました。

妖怪登場のシーンいろはさんも、客席からどう見えるかを考え、体を大きく動かします。

■菊池いろはさん
「家族とか知らない人でも、見ている人全員が笑顔になれるように頑張りたい」

さらに、子どもたちと葉山さんが話し合い、ダイナミックな演出を加えた場面も。より良い舞台を目指し、一緒につくりあげます。

■参加する子ども
「後悔なく、全力で自分の力を発揮できるように頑張りたい」

■ 総合プロデューサー 葉山悠介さん
「ダンスとか和楽器がこうやって融合するんだな。そしてそれぞれの良さも見られる ステージになっていますので、そこをいろんな年代の方とかに見ていただけたら」

舞台が、子どもたちの夢を目指す希望の種になるように。3つの会場の初回を飾る公演は、11月19日(日)、宇土市民会館で行われます。