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「自転車通学時のヘルメット着用を校則に」熊本の高校生の思い

2024年7月18日 19:22
「自転車通学時のヘルメット着用を校則に」熊本の高校生の思い

来年度から熊本県立高校では、自転車通学時のヘルメット着用が義務付けられる方針です。県立宇土高校では、ひと足早くヘルメット着用を校則に盛り込もうと生徒が動き出しました。

宇土市にある県立宇土高校では、全校生徒642人の約6割が自宅や駅から自転車で通学しています。3年の鏡遼治さんは毎日、ヘルメットを被って通学しています。
■宇土高校3年 鏡遼治さん
「周りからは委員長だからヘルメットを被っているのだろと言われるが、自分はその意思はなく、本当に自主的にヘルメットを付けるようにしています」

鏡さんは、学校の「交通委員会」で委員長を務めています。鏡さんはこの日、生徒総会である提案を準備していました。

■宇土高校交通委員会 鏡遼治委員長
「ヘルメット着用の校則化に向けて、これからどのように変わっていくのかということを話すつもり」

自転車で通学する時のヘルメット着用を2学期から校則に盛り込む提案です。

鏡さんがヘルメットに意識を向けたきっかけは、今年参加した交通講話でした。ヘルメットを被らずに自転車で事故にあい、身体に障害が残ってしまった人の話を聞いたことで、自ら命を守る大切さを感じたといいます。

去年4月に道路交通法が改正され、年齢問わず自転車のヘルメット着用が「努力義務」となりました。来年度から全ての県立高校で通学時のヘルメット着用を義務化する動きが進められる中、すでに着用を義務付けた高校もあります。

しかし、校則化となると生徒の抵抗感も大きいようです。
■男子生徒
「暑いとか、めんどくさいとか。みんなが被ったら被ります」
■女子生徒
「校則化は反対。多分、みんなも被らないんじゃないかなと思う」

県内のヘルメット着用率は8.3%と全国平均の13.5%を5ポイント以上下回っています。(2023年 警察庁調べ)

それでも…。
■宇土高校交通委員会 鏡遼治委員長
「少し反対意見は出るかもしれないが、それは覚悟の上で話すつもりです」

いよいよ生徒総会が始まりました。少し緊張気味の鏡さん。思いは伝わるのでしょうか。
■宇土高校交通委員会 鏡遼治委員長
「今年度の9月からヘルメットの順次着用のご協力をお願いします。校則に伴う罰則のレベルやヘルメットの保管方法、卒業後の生活につなげるためにはということを考えてこれから活動していきたいと思います」

無事に発表を終えた鏡さん。校則に盛り込むかどうか、今後検討されることになりました。

■宇土高校交通委員会 鏡遼治委員長
「自分の命を守るためのヘルメットだと思うので、生徒の皆さんには少しでも早い行動をしてもらうよう願っている」

生徒の意識改革を進め、命を守るためにヘルメット着用を広げたい。鏡さんの活動は続きます。