【ドキュメント】蒲島知事が不出馬表明 議会で語ったことは
熊本県の蒲島郁夫知事は6日、来年3月に行われる知事選に立候補しないことを明らかにしました。一日のドキュメントです。
6日早朝の知事公邸。県政のトップが進退を表明する節目の日を迎えました。午前8時過ぎ、姿を現した蒲島知事。胸のうちはいかに…。
(記者)「おはようございます」
(蒲島知事)「議会で会いましょう」
報道陣に一声かけると、すぐに県庁へと向かいました。
こちらは、自民党県連会長の前川收議員。県議会の一般質問で、5期目に向けた知事の考えをただします。
(記者)「知事から話は?」
(自民党県連 前川收議員)「聞いておりません。私は、言う必要ないと言いましたので。きょう、どうせ聞くわけですから」
■畑中香保里キャスター
「午前9時55分、蒲島知事が姿を現しました。ゆっくりと議場に向かっていきます。この後の議会でいったい何を語るのか。その発言に注目が集まります」
傍聴席には多くの人たち。蒲島知事が引き続き県政を担うのか、それとも後進に託すのか。午前10時、県議会が開会。注目の一般質問です。
「知事5期目に向けた決意のほどを」と前川議員から質問を受け、壇上に立った蒲島知事。熟慮を重ねて出した結論は。
■熊本県 蒲島郁夫知事
「次期知事選に向けた私の決断についてお答えします。本県は今、そのポテンシャルを最大限にいかした地方創生を実現し、日本の経済、感染症、災害、食糧、環境の5つの安全保障に貢献しうる存在となっています。改めて本県の現状をみますと、チーム熊本の力で今、創造的復興は目に見える形で進んでいます」
4期16年を振り返り、成果を強調する蒲島知事。一方で、76歳という年齢についての不安も口にしました。
■熊本県 蒲島郁夫知事
「私は、全国47の都道府県の中で最年長の知事であります。しかし、仮に次の選挙で県民の負託をいただいたとしても、次の任期の途中で限界を迎える可能性もあります」
県民の総幸福量の最大化を目指し続ける上で、有能な人物に県政を託すことが最も望ましい選択だとしました。
■熊本県 蒲島郁夫知事
「新たなリーダーに県政を託すとすれば、今が最も適切な時期ではないかという思いに至りました。私は与えられた今の任期を全うした上で、次の知事選には出馬しない、出馬しないことを決断いたしました。みなさん本当にありがとうございました」
知事の決断について、熊本市の大西一史市長は。
■熊本市 大西一史市長
「本当にこれからの未来に向けてもですね、大きな礎をつくっていかれた。非常に重要なお仕事をたくさんなさった知事だというふうに思います。知事が後進にしっかり道を譲って、そして新しいリーダーをつくっていくべきだと判断されたということは、リーダーシップの在り方として適切な判断だったのではないか」
県議会の各会派は。
■自民党県連 前川收県議
「県民の期待感もあり、蒲島さんならやってくれるかなという期待も持っていたのは事実です。残念ですけど、16年間本当に頑張っていただいたというのが率直な感想。感謝の思いを伝えたいという気持ちになりました」
■立憲民主連合 鎌田聡県議
「熊本地震とか、令和2年の豪雨災害、コロナ対策、非常に厳しい対応がありましたけれども、そういった対応をしっかりやってこられたという成果はあったと思う 」
■公明党 城下広作県議
「本当に必死になって県民のためにという思いでやってきた。非常に人間性があって、そういう知事がある意味では県民にも受け入れられたんじゃないか」
熊本県知事として最長となる4期を担った蒲島知事。16年けん引してきた県政を新たなリーダーに譲ります。