車の窓に首を挟まれ女児死亡 子どもの命を守るため気をつけるべきことは
21日、東京で2歳の女の子が車の窓に首を挟まれ、亡くなるという痛ましい事故がありました。車の中の子どもの命をどう守るか、大人が気をつけるべきことを取材しました。
痛ましい事故が起きたのは東京・練馬区の住宅街。母親からの通報でした。
■母親(30代)119番通報
「子どもが車の窓に首を挟まれ抜けない」
警察によりますと、首を挟まれたのは2歳の女の子でした。女の子は意識不明の状態で搬送され、その後、死亡が確認されました。
捜査関係者によりますと、事故当時、母親は運転席に。女の子は、その後ろの席でチャイルドシートに座っていましたが、ベルトはしていなかったということです。車の窓は、ボタンで上下する一般的なパワーウィンドーだったとみられています。
警察に対して母親は、窓は換気のために全て開けていて、しばらくしてから女の子が座っている席以外の窓を閉めたと話していますが、実際には全ての窓が閉まっていたということです。
その後、後ろを振り返ると窓に首を挟まれていたという女の子。気づいたのは、車を出発させてから約20分後だったということです。
パワーウインドーの閉まる力の強さを知ってもらおうと、JAFが公開している映像です(映像提供:JAF東京支部)。ゴボウやダイコンが、それぞれ簡単に切れるほどの力があることがわかります(車種によって差があります)。
子どもたちが巻き込まれることのないよう気をつけるべきこととは。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
消費者庁は「車のドアやパワーウインドーを閉める時は、『閉めるよ』とか『近づかないで』と呼びかけ、特に幼い子どもの場合は、そばにいる大人が確認したほうが安心」としています。
こうした事故を防ぐためには、チャイルドシートを適切に着けることが重要です。しかし去年、警察庁とJAFが実施した調査では、熊本県内のチャイルドシートの使用率65.9%で、全国平均の76%を10.1ポイント下回りました。
JAF熊本支部の緒方将さんは、「子どもの命を守るという本来の意味を軽く捉えているのでは」と危機感を募らせています。
今回の事故のように、チャイルドシートの安全ベルトをつけていない、また、大人が抱っこしている、チャイルドシートに座らせていないといったケースが多く見られたということです。
JAF熊本支部は、「たとえ嫌がったとしても、チャイルドシートを正しく着けることが大人から子どもへの愛情」と訴えています。しっかりと大人が気を配って、同じような事故を2度と繰り返さない意識が大切です。