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【ことし12件】相次ぐ熊本市電トラブル 再発防止へ九州運輸局に報告書提出

2024年10月21日 18:50
【ことし12件】相次ぐ熊本市電トラブル 再発防止へ九州運輸局に報告書提出
熊本市交通局の交通事業管理者
熊本市電でトラブルが相次いでいる問題で熊本市交通局は21日、国土交通省九州運輸局に対し、事故の再発防止などの改善に向けた中間報告書を提出しました。

熊本市電では、ことし7月レールと車輪の摩耗が原因で車両が脱線する「重大事故」が発生しました。また9月には「重大インシデント」にあたる扉が開いたままの走行をするなど「安全にかかわるトラブル」が、ことしに入り12件おきています。

こうしたことから九州運輸局は9月、運転士への教育や軌道の整備を適切に行う体制を構築するよう求める改善指示をしていました。21日に提出した中間報告書で熊本市交通局は、インシデントが相次ぐ原因として業務の引継ぎが適切に行われず管理する側の教育や訓練に関する制度への理解が不足していたことをあげています。

■熊本市交通局・井芹和哉交通事業管理者
「安全管理に対する組織体制ができていなかったことがいろんなインシデントや事故等につながったと思っている」

そのうえで報告書では兼務だった安全統括管理者を11月1日に交通局の外部から新たに専任で選ぶ予定としています。また事故防止や運転士の教育などを専門とする新たな部署を来年1月に設置する準備を進めているということです。


【スタジオ】
■緒方太郎キャスター
今回のポイントをまとめました。

まずは「教育」です。相次ぐインシデントの大きな要因が運転士が確認事項を声に出すことや扉が閉まっているかを確認するなど「基本動作」を徹底できていないことでした。背景としては、管理者への制度の教育、前任者からの引き継ぎが適切に行われていなかったことが挙げられています。対策として教育の規定を追加するなどの改定を行うといいます。異動してきた人や新たに管理者になる人へ適切に教育を行うと報告しました。

もう一つが「組織」です。これまでは営業所長が安全統括管理者も兼務していたそうです。その体制によって他の部門に対する指揮命令が難しい場面があり、十分に機能していなかったとしています。その対策として、市交通局では兼務をやめ、交通局の組織外から安全統括管理者を専任として、11月1日に新たに選ぶということです。

お客さんの命を預かる立場。徹底した対策が求められます。

最終更新日:2024年10月21日 18:50