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【記者も挑戦】被害者から聞いた特徴だけで描く 熊本県警で捜査用の似顔絵講習会

2024年2月8日 19:06
【記者も挑戦】被害者から聞いた特徴だけで描く 熊本県警で捜査用の似顔絵講習会

警察の科学的な捜査技術が進んでも、昔から受け継がれているのが似顔絵を使った捜査です。事件解決の手がかりともなる似顔絵の技術を磨こうと警察官が参加した講習会。記者も挑戦しました。

真剣な眼差しで鉛筆を走らせる警察官たち。捜査用似顔絵の講習会です。鑑識課や交番などに勤務する42人が参加し、事件の被害者や目撃者からの情報をもとにした犯人の似顔絵の描き方について講習を受けました。

まずは1分間で顔写真を覚え、記憶を頼りに似顔絵を描きます。
■参加した警察官
「難しいです」
「自分が思ってた通りに描けない」

しかし、これはまだ序の口。次は、犯人を目撃した人からその特徴を聞き取り、似顔絵を描く訓練。自分は見ていない人物の特徴を目撃情報だけで描くという本番さながらの課題です。絵を描くのはかなり苦手だという記者も挑戦しました。

■花木瞳記者
「何歳ぐらいの方ですか?」
■指導官
「20~30前半くらい。髪はパーマがかっていて、左の方にウェーブがかかっている」
■花木瞳記者
「結構くるっとしている?」
■指導官
「くるっとしていて、目の所までかかっている」

ポイントは、目撃者からどんな特徴を聞き出すことができるかです。
■参加した警察官
「顔の輪郭がシュッとしてる?」
■被害者役
「シュッとしてます。ああ、きてる、きてる!」
■指導官
「だいぶ良くなったよね」
■被害者役
「いいっす、いいっす」
Q逮捕にはつながりそうですか?
■被害者役
「これはたぶん数日で見つかりますよ。マジで似てますよ」

一方、記者は…。
■花木瞳記者
「全然たどり着けない」
■指導官
「いやでも、雰囲気いいですよ。鼻はちょっととがった感じで描いてもらったがいいかもしれないです…」
(カメラマン)
「なんか特徴を伝えているというより、描き方指導になってる…」

苦戦しながら描き進めること20分。
■花木瞳記者
「できました」
■指導官
「似て…ますよ」
■花木瞳記者
「本当ですか…!?」
■指導官
「私はこれ好きですけどね」

似顔絵を描く際に気をつけることを教えてもらいました。
■指導官
「誘導はしないようにしています。やはりこうだったかなと目撃者の方が思ったりするので、それはないように気をつけています」

参加した警察官は。
「目撃者の方は最初から凝視して見ているわけではないので、引き出していく作業が大事なのかなと思います」
「今回学んだことを生かして実践につなげていきたいなと思いました」

県警によりますと、今年度は67件の事件で似顔絵を作成していて、そのうち9件で似顔絵が犯人検挙につながったということです。そのうち1件は、以前、この講習を受けた交番勤務の警察官が描いた似顔絵がだったということです。