国の特別天然記念物・コウノトリか!?熊本県内で撮影された動画 専門家の見解は
幸せを運ぶとされるコウノトリ。国の特別天然記念物に指定されていて、なかなか見ることはできません。そうした中、熊本県内で29日、よく似た特徴の鳥の姿が撮影されました。コウノトリが飛来したのでしょうか、取材しました。
29日に熊本県内で撮影された映像。稲が刈り取られた田んぼを、クチバシと羽の先が黒い鳥が悠々と歩く姿が…。
動画を撮影した女性に話を聞くと。
■撮影者 河野直子さん
「初めて見る大きな鳥だったので、何だろうと思って調べたらコウノトリのようだった。コウノトリは幸せを運ぶ鳥と言われるので、とにかく珍しいというのと、縁起がいいというのでうれしかったです」
動画が撮影された翌日、撮影された場所に行ってみると…。シラサギのような鳥はいましたが、コウノトリの姿はありません。
■平井友莉アナウンサー
「目撃された場所のすぐ近くには、コウノトリが好むとされる川もこちらに流れています」
エサを求めて田んぼや川、湿地などを好むというコウノトリ。しかし…どこにも見当たりません。
近くに住む人が29日、その姿を見ていました。
■近所の人
「いつもなら白サギが飛んでいるでしょう?あれじゃなくて、もうちょっと黒っぽくて大きかった。水が干上がってメダカがいる。それを食べに来ていたんじゃないかな」
Qきのうご覧になった?
「そうだと思うんだけど」
撮影されたのはコウノトリなのか?確認するために向かったのは、熊本市動植物園です。
副園長の松本充史さんに動画を見てもらうと…。
■熊本市動植物園 松本充史副園長
「間違いなくコウノトリですね。うらやましい。私も見てみたい」
Q特徴的にもコウノトリで間違いない?
「くちばしの長さと体の色と間違いないでしょう。」
一度絶滅した国内のコウノトリ。兵庫県で繁殖活動が始まり、現在は383羽が野外に生息しています。(今年8月末時点)
佐賀県でも繁殖の事例があり、コウノトリの生息範囲は徐々に広がっています。
日本野鳥の会熊本県支部によりますと、県内では2021年8月に山鹿市と熊本市で目撃されて以来、2年ぶりの飛来確認です。
■熊本市動植物園 松本充史副園長
「驚かすとその場所からいなくなってしまうので、見つけたらちょっと距離をとって、ゆっくり観察して見るといいのかなと。もしかしたら、環境が合えば巣を作ってということにつながることも考えられます」