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【同性婚訴訟】札幌高裁「認めないのは違憲」全国の控訴審で初の判決に熊本の原告は

2024年3月15日 18:39
【同性婚訴訟】札幌高裁「認めないのは違憲」全国の控訴審で初の判決に熊本の原告は

同性どうしの結婚を認めないのは憲法違反として全国で同性カップルが国を訴えた裁判で、札幌高裁は14日、同性婚を認めないのは憲法に違反するという全国の高裁で初めての判決を言い渡しました。控訴審で初となる「違憲判決」に熊本在住の原告は。

この裁判は、国が同性婚を認めないのは法の下の平等などを保障する憲法に違反するとして、全国各地で同性カップルが国を訴えているものです。札幌高裁は14日、同性カップルの結婚が現在の民法などの規定で認められないのは「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反するとしました。

そして、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と婚姻の自由を定めた憲法24条1項について、「同性間の婚姻についても異性間と同じ程度に保障していると理解できる」と初めての判断を示し、同性婚を認めない規定は憲法24条にも違反するとした「違憲判決」を言い渡しました。

同性婚訴訟をめぐっては、全国の地裁で「違憲」、「違憲状態」、「合憲」と判断が分かれていて、高裁の判断が示されたのは今回が初めてです。

熊本市在住で、九州訴訟を闘っている原告のこうぞうさんとゆうたさん。控訴審で初めての「違憲判決」を次のように受け止めています。
■九州訴訟原告 ゆうたさん
「社会的保障がないのは違憲なんだ、あるいは違憲な状態なんだと言っている。もうあとは、もう国会が、政治が、 立法府がもう動くだけだという思いを改めて強く思った」

■九州訴訟原告 こうぞうさん
「九州訴訟の控訴審でも、後退しない、後退させない、確実に前進をする、前に進む判決を望んでいます」

【スタジオ】
この同性婚訴訟は、全国5つの地裁で判断が分かれていました。争点となっているのは、婚姻の自由を保障する憲法24条1項、個人の尊厳などを保障する24条2項、そして法の下の平等を保障する14条に違反するかどうかです。

これまでの判決は、それぞれの憲法について違憲、違憲状態、合憲と判断がバラバラでしたが、今回の札幌高裁の判決では、これまでの判決でいずれも合憲としていた「婚姻の自由」を保障する憲法24条1項についても違反をしているという初めての判断を示し、より踏み込んだ形となりました。

判決で札幌高裁は「同性愛者が日々の生活で不利益を受け、存在の喪失感に直面している」とした上で、喫緊の課題として「同性婚に、異性婚と同じ婚姻制度を適用することを含め、早急に真摯な議論と対応をすることが望まれるのではないか」としています。

ゆうたさんとこうぞうさんの2人が原告となっている九州訴訟は、現在も控訴審が続いています。