熊本市電のドアが突然開き15m走行 職員が閉めるも乗客に知らせずそのまま走行
トラブルが起きたのは、6月21日、イベント電車「ビアガー電」の試走中でした。KKTの中継スタッフも乗っていたこの車両が、午後5時半過ぎに乗客14人を含む25人前後を乗せて水道町交差点にさしかかった頃、運転席右側のドアが突然開きました。ドアが開いた状態で15メートルほど走行し、近くにいた職員が手動でドアを閉めたということです。けが人はいませんでした。
ドアを閉めた職員は乗客らに報告せず電車はそのまま走行し、乗車していたKKTのスタッフもトラブルに気付いていませんでした。
熊本市交通局によりますと、ビールやつまみなどを搬入するため非常用のドアコックを使ってドアを手動に切り替えたあと、そのまま忘れていたのが原因だということです。
「ビアガー電」は7月5日から運行を始めましたが、5日の運行前にもドアコックが切り替えられたままになっているのを運転士が気づいて調べたところ、今回のトラブルが判明しました。
ドアコックは本来、車内で事件や急病人が発生した場合など非常時の使用を想定したもので、市交通局は「今後、運用を見直し、再発防止に努めたい」としています。
熊本市電のトラブルは今年に入って9件目で、鉄道事故につながる可能性がある「インシデント」は今回で7件目です。