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朝は電停で大行列が…熊本市電が運転士不足で過去最大の減便 一方でトラブル相次ぐ

2024年7月5日 20:21
朝は電停で大行列が…熊本市電が運転士不足で過去最大の減便 一方でトラブル相次ぐ
熊本市電が6月29日からダイヤを改正し、平日は64本、土曜は61本、日曜・祝日は58本減便しました。

平日朝の最大出庫台数は33台から31台に減らしています。減便の理由は運転士の人員不足と車両不足です。“過去最大規模”という減便を行った熊本市電は、トラブルも相次いでいます。車から公共交通機関への移行が呼びかけられる中、どうすれば利用しやすい運行は守られるのでしょうか。

■倉本彩アナウンサー
「午前7時を過ぎました。この時間になると少しずつ行列ができはじめ、職員が行列の対策を行っています」

熊本市東区の健軍町電停では、利用者が特に多い午前7時から約2時間、職員が列の誘導にあたります。午前7時半になると、電停の周りには人・人・人!

■利用者
「朝出る時間がいつもより早くなったから、早起きが嫌。7時26分か42分しかないから、ちょっと早く来ないと座れなくなる。人数も多くなるから」
Q到着した電車に乗れなかったことは?
「1本遅らせたり…」

この要因の一つが、6月末から始まった過去最大規模の減便です。背景には、この1年間で10人も減った運転士不足があります。

熊本市電の運転士を巡っては…。
■松本光裕 熊本市交通局次長(7月2日の会見)
「利用者や市民の皆さまに多大なご迷惑とご不安をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございません」

熊本市電では、赤信号の無視やドアを開けたままの走行など、今年に入ってから8件のトラブルが続出しています。この異常事態に熊本市交通局は、これらのトラブルを検証する委員会を立ち上げています。

検証委員会の吉田道雄会長は、今回の減便と相次ぐトラブルとの関連をこのように分析しています。
■検証委員会 吉田道雄会長
「利用者側の立場からいうと困ったことではあるが、運転手のことを考えると、今回の減便はトラブルのリスクを減らす可能性・確率は増えたと思います」

運転士の負担を減らす意味で、やむを得ない対応だと話しています。今後、トラブルを減らし、安全な運行をするためには、どうすれば良いのでしょうか?

■検証委員会 吉田道雄会長
「聞き取りの中で少し感じたことがあったのは、交代が一番極端な例でいくと朝、きょう替わってもらえないか?というのもあるそうです。運転士としてもなかなかつらいところがあるんだろうなと思いますね。現場から言いたいことが言える、聞いてもらえる空気が何より大事かなと思っています」

検証委員会は7月中に中間報告をまとめ、短期的な対策を提言する予定です。

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