”無医地区”で「病院行かずモニター受診」医療MaaS 山都町で導入
高齢化が進む一方で、医療機関が少ない課題に直面している山都町で、医療機器を搭載した車両の運用が始まりました。導入の狙いとは。
11日、山都町でお披露目されたのは「医療MaaS」の車両です。「医療MaaS」とは、通信機器などを乗せた車両が地域を訪れ、オンラインでモニター越しに診察や健康相談などを受けることができるサービスです。住民は自宅の近くで医師の診断を受けられるようになり、遠くの病院まで通う交通費の負担が軽減されるほか、へき地での医師不足を補う役割が期待されます。
県内での導入は八代市、小国町に続いて3例目。お披露目式ではデモンストレーションが行われオンライン診療の様子も公開されました。
■そよう病院 山下太郎院長
「少しでも住みやすい地域を作っていく上でいろんな選択肢が必要。こういうものを実用化してしっかり続けていい地域を作っていきたい」
山都町では今後、医療MaaSを展開する地区や対象となる患者を増やしていきたいとしています。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
医療MaaS導入の背景には、町の課題がありました。山都町は県内の自治体で3番目に広い面積を誇るのに対し、診療所や病院が少なく、移動が難しい患者が医療を受けることが困難な現状があります。
また町などによりますと、県内26か所にある医療機関がない地域、「無医地区」のうち8か所が山都町内に集中しているということです。こうした深刻な課題は今後、他の自治体でも直面する可能性があります。この危機に医療MaaSが特効薬となるのか、大きな期待が寄せられています。