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3歳の娘の命を奪われ経験を語れなかった女性 事件から14年の今、娘と同年代の生徒に伝えたい思い

2025年2月10日 19:41
3歳の娘の命を奪われ経験を語れなかった女性 事件から14年の今、娘と同年代の生徒に伝えたい思い

今から14年前、熊本市内のスーパーで当時3歳の女の子が殺害された事件がありました。突然、娘の命を奪われた母親が10代の若者に思いを語りました。

2月6日、熊本市中央区の尚絅中学校・高校で開かれた講演会。講師を務めたのは、熊本市で暮らす清水真夕さん(51)です。
■清水真夕さん
「新たな若い人が犠牲になるような事件を防ぎたいと思って、今こうやってお話をしています」

真夕さんはかつて、突然、我が子を失う経験をしました。2011年3月3日。3歳だった真夕さんの娘、心ちゃんが、当時大学生の男に熊本市内のスーパーのトイレで殺害され、翌日、用水路で見つかりました。

事件後にはPTSDを発症し、長い間、家族に起きたことを公の場で語れなかった真夕さん。あの日から間もなく14年。自らの経験を伝えたいという思いが生まれました。生きていれば、高校2年生だったはずの心ちゃん。同じ世代の若者に我が子の姿を重ねていました。

■清水真夕さん
「辛いことを辛いって言わなかったんですけど、それってとっても辛くて。なので、もし皆さんが将来、何か辛いなって思う時があったら、もう泣きたい時は思いっきり泣くといいと思います。自分のやりたいこととか、好きなこととか、そういうことをしっかり持って生きていっていただきたい」

■講演を聞いた生徒
「普段の生活が当たり前ではないことを改めて感じたし、これからその当たり前だと思ってた日々を1日1日を大切に過ごしていきたい」
■講演を聞いた生徒
「辛いと思ったことを声に出すことができない人がたくさんいると思う。気持ちを少しでも和らげてあげられるように、話を聞いてあげたり、寄り添ってあげられたらいいなと」

講演を終えた真夕さん。生徒たちに一番伝えたかったことを話してくれました。
■清水真夕さん
「子どもたちは、生きて好きなことをやってっていうことを実は一番言いたかった。私が娘を亡くしてすごく辛かったように、あなたたちも大事な存在なんだよって」

大切な娘の存在と、命の重み。真夕さんはこれからも語り続けるつもりです。

最終更新日:2025年2月10日 19:41