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【行政代執行】都市計画道路沿いの住宅で再開 家財道具搬出し住民を退去させる

2023年11月14日 17:10
【行政代執行】都市計画道路沿いの住宅で再開 家財道具搬出し住民を退去させる

熊本県が10月に着手した熊本市中央区にある人が住む住宅を強制的に撤去する初めての行政代執行。解体方針を検討するため中断していましたが、14日再開し、住民の女性2人を退去させました。

■熊本県用地対策課 下﨑浩一課長
「これより行政代執行を再開いたします」

行政代執行が再開されたのは、熊本市中央区西子飼町の都市計画道路沿いの住宅です。14日、熊本県と熊本市の職員ら約60人が家財道具を外に運び出し、電気や水道、ガスを止める作業をしました。

住宅には70代の姉妹2人が住んでいますが、道路拡幅に伴う移転交渉が進まず、2019年11月に県の収用委員会で熊本市への明け渡しが決定。10月、県が住宅を強制的に撤去する行政代執行に着手しましたが、解体方針を検討するため中断していました。

退去を求められた姉妹は「移転そのものには反対していない」と話しました。

■退去させられる女性
「何か訳が分からないうちにこうなったという感じが正直なところかもしれません。何も分からずに、県と市の方がされる通りにしていたら、こんなになったという感じ」

■熊本県用地対策 課下﨑浩一課長
「丁寧に説明したい一心で毎日訪問してましたけど、シャッター越しに声をかけても応答がないし、電話しても出てもすぐ切られる状況で、中々こちらがやりたいことが出来なかったというのが現実」

住宅は代執行の対象ではない部分にもかかっていますが、建物が老朽化し、一部を残すと危険だという判断から、すべて解体する方針が決定しました。代執行の後、道路から約4メートルの土地、約34平方メートルが熊本市に引き渡されるということです。

退去させられた姉妹は、市が用意した市営住宅への入居を拒否していて、「しばらくはホテルなどに宿泊したい。残りの土地に住宅を再建して住みたい」などと話していました。

住宅の解体工事は11月21日から始まり、代執行は年内に終了する予定です。この区間の道路整備は、2025年度末までの完成を目指しています。