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工事ミスで農地に海水が流入 枯れた作物も…2か月たった天草の現場は

2024年4月22日 19:01
工事ミスで農地に海水が流入 枯れた作物も…2か月たった天草の現場は

天草市で樋門の工事中に海水が農地に流れ込んだ問題からまもなく2か月、海水に浸かった水田で早期米の田植えが始まりました。田畑はいまどうなっているのでしょうか?

田んぼや畑のところどころにたまった海水。
この問題はことし2月末、天草市河浦町で海水が土のうを乗り越えて農地に流れ込んだものです。

原因は、県が堤防の樋門取り換え工事を発注した業者が作業を翌日に持ち越したこと。
満潮時に開けたままの樋門から海水があふれたとして県が3月、農家に謝罪しました。

■藤木紫苑記者
「水田に海水が入ってやがて2か月たちます。こちらでは早期米の田植えが行われています」

こちらの水田では例年4月の前半に田植えをしていましたが、除塩作業などの影響で後れがちに。
県の調査の結果、土壌の塩分が稲作の基準である0.1%にまで下がったため田植えを始めましたが、今シーズンの収穫量や品質は想像がつかないといいます。

■河浦町の農家・倉田晋幸さん
「土壌の下の方に塩分がたまっていたらそれが上がってきたとたん枯れてしまうおそれがあるのでそれが一番懸念される」

さらに田植えが遅れることでコメの収穫後に種をまく予定だったカボチャの栽培にも影響が出る可能性があると話します。影響を受けているのはコメだけではありません。河内晩柑を育てる畑です。4年前に900本を植え、2026年には本格的な収穫を始める予定でした。しかし…。

「枯れていますね」

元々育ちが弱い木の中には枯れているものも目立ってきたといいます。

■河内晩柑農家・山﨑修さん
「この4年がどうなるかわからないけど、人間で言ったら首を絞めたようなどういうものができるかもわからなくなってきています」

県は、影響を調査しながら業者とともに農家に補償を行う方針です。